ファンタジーじゃないよ、リアルなんだよinタンペレ

朝8時くらいの列車に乗る。外はまだ暗くて夜のよう。

12月のフィンランドは極夜なのだから、明るくなるにしても数時間後です。

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ヘルシンキからタンペレまでは2時間くらいかかるので、着くころにはムーミン博物館も開館してちょうどいい頃合いです。

開館時間は平日が9時~17時、土日は10時から18時。

ただし、ムーミン博物館は2016年10月30日にリニューアルのため閉館するそうです。そして2017年5月9日により広いスペースで再オープンするとのこと。

最新の情報は公式ホームページでご確認下さい。

http://muumilaakso.tampere.fi/ja/museo/

タンペレに着くころには朝の気配。

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移動遊園地&フリーマーケットみたいなのが公園でやっていました。

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けっこう混んでる。

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心惹かれるものの、まずは目的地のムーミン博物館へ。

以前はタンペレ市立図書館の地下1階にありましたが、現在はタンペレ市立美術館内に移動しています。しかし前述の通り、それも今年の10月30日にリニューアル閉館してしまいますので、ご注意を。

さて、着きました。なんか立派な建物だー。

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残念ながら内部は撮影不可なのです・・・図書館の地下にあった時より展示室が拡大されているだけあって、内容がさらに充実しつつ、のびのび見られて素晴らしかった!

ミニチュアのムーミンハウスとか、ずっと見ていられますよ・・・それに挿絵の原画が本当にきれいで!涼しげで透明感のある色合いが大好きなんです。作者のトーベ・ヤンソンさんはそもそも画家だったというのを深く納得します。

館内には日本語のガイドブックがあり、荷物を預けられるコインロッカー(お金は帰ってきた記憶があります)もあって、見学者のための気配りが行き届いています。ロッカーのカギが上手く閉められなくてアワアワしていたら、職員らしきイケメンマッチョな黒人さんがさっと現れて助けてくれました。惚れてまうやろ!

ただ、ミュージアムショップはスペースが狭く、あまり充実していません。こちらは以前のショップの方がよかったですね。リニューアルオープン後は改善されますように。

ゆっくり見て3時間くらいでしょうか。これはムーミンマニアの私だからこその時間でしょう、ムーミンにさほど思い入れがなければ1時間くらいで見終わると思います。

子供の頃にアニメを見て以来、ずーっと好きで、もちろん原作は全部読んでて、コミックス版も読みました。一番のお気に入りは「ムーミン谷の冬」です。

http://amzn.to/2nlhcnE

厳しくて冷たい、だけど美しい冬の世界と、ひとり冬眠から目覚めてしまったムーミンの心細さ、見知らぬ住民たちとの出会い、分かり合えないながらも寄り添うこと、そして猛威を振るう自然の無慈悲さと圧倒的な力、やがて訪れる春の喜び。

何度読んでもすり減ることはなく、読むたびにいつも、日常の中で無意識に凝り固まってしまっていた気持ちや考えを、ゆるりとほどいてくれる、そんなお話です。

こころゆくまで堪能した後は、タンペレの町を散策です。

駅からまっすぐ伸びるハメ通りがメインストリートで、そこにお買いものスポットが集中しています。とはいえヘルシンキよりのんびりしてて、のどかな感じ。

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薬局のウィンドウで見つけたゆるキャラ、コンドームくん。君はゆるくちゃいけないと思うよ!

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写真を撮ってたら中にいた店員さん(すごい美女)に「ふふっ」て笑われた・・・キュンとした。

小腹がすいたので、フィンランドの有名なチョコレートメーカー「Fazer(ファッツェル)」のカフェでザッハトルテとカフェオレをいただきました。

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Fazerはパッケージに芸者さんがプリントされたチョコレート、その名も「Geisha」が一部で有名ですが、味は日本人好みのまろやかで優しい甘さで、外国のチョコレートにありがちな濃すぎるもったりした後味がなく、お土産にした時にも外れ知らずです。

ごく普通にスーパーでパック詰めで売られているやつが安くて量も多いので、バラマキ土産に最適ですよ。

Fazer.com - Fazer

ザッハトルテは当然のごとく美味しく、カフェオレとの相性バツグンでした。

店内はほどよくお洒落かつ庶民的。Tシャツのおっちゃんもいるし、隣の席では机をくっつけてパーティー始めてた。

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カフェでまったりして外に出たら、もう暗くなっていました。早いなあ。跳ねる馬のイルミネーションが可愛い。

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ワイヤーで作った丸いオブジェみたいなのが吊るされていたり。

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タンペレは別名「光の町」とも呼ばれていて、派手ではないけれど柔らかに街並みを照らすライトアップが素敵です。

私はタンペレならではの赤レンガ工場が並ぶタンメルコスキ川の、控えめなライトアップ&煙のコントラストがお気に入り。

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渋すぎるぜ!

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フィンレイソンでお買い物したり、地元のスーパーをのぞいたりしているうちにすっかり夜。

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写真にも写っていますが、駅からすぐの所にあるストックマンデパートに寄ろうとした時、道に倒れている人が救急車で運ばれるのを目撃。観光で来てると忘れがちだけど、ここは夢の国じゃないんだから、病気も事故も当たり前にあるんだよね・・・

駅に行くとけっこうな割合でホームレスの人にお金をくれないかと言われるし、難民らしき人も見かける。折に触れ感じる、ざりっとする感覚を、外国だから特別なんだと処理せずに考えていこうと思う。

ちなみに、ストックマンのマリメッコでウニッコ柄のハンドタオル買えました。お会計する時に、銀行みたいに番号札を引いて待つシステムなのが新鮮でした。

帰りは自由席の準急的な列車でヘルシンキへ。

観光客っぽい乗客がまったくいなくて、チラチラ見られてました。あとわりと皆さん騒ぐのね・・・かなり無秩序な雰囲気だった。修学旅行生みたい。もちろん知らない同士が、それぞれ個別に盛り上がってるんだけど。

賑やかなだけで、怖いとか不快とかではないです。そんな中、連れはぐっすり寝ちゃってて「あー、疲れてるんだな」としみじみ思いました。

ホテルに帰ると、昨日仲良くなったモンテネグロさんが、日本人の宿泊客がいると教えてくれました。CAさんだそうで、なるほど完璧な笑顔がプロっぽい。

デンマークに住んでいる友達とスウェーデンで待ち合わせて、北欧を周るらしい。どっちもまだ未踏だから、いつか行きたいな。そういえば行きの飛行機で一緒だったノルウェーの青年にノルウェーを勧められたし。北欧全制覇やったるぞー。

少しおしゃべりしてから、野望を燃やしつつ就寝。

共同スペースからか、どこからか、大音量のインドっぽい音楽(野太いコーラス付き)がズンドコズンドコ~♪オンワイヤ~♪と流れてきて、神経の細い連れは寝れるのかしら、という危惧が脳裏をかすめるも即行で寝落ちしたのでした。

明日はフィンランド最終日、ついに帰国の日です。

8日間なんて、あっという間だなー、もっと長く旅をしたいなーという願望は、翌年夏のイギリス旅行で果たされるのです・・・と予告してみる。

次回は旅のまとめです。今月中に更新できたらいいなと、未来の自分がんばれな気持ちです。