チェスターからロンドンへ~妄想を道連れにすると旅はより楽しい
チェスター3日目の朝は、昨日に引き続いて晴天。
今日はロンドンへの移動です。
チェスター駅を12時35分発の列車だから、チェックアウト時間までのんびりしてからホテルを出ました。
チェスターに来た時はNational Expressのバスでしたが、チェスター・ロンドン間は鉄道の方が早く着くため、そちらを利用することにしました。
到着予定は14時39分で、ほぼ2時間。バスだと5時間半くらいかかります、しかも料金も高くなってしまうのです。
時間帯によって違いますが、私が利用した2016年8月時点で列車では16ポンド(約2400円)、バスでは安くても25.7ポンド(約3900円)でした。
ただ列車は時間帯割引に加えて、グループ割引も使えたため、かなりお安く購入できたというのもあります。
大人2人、子供1人の3人でもグループ割引が利用できました。2人から使えるかどうかは分からないです。
このブログを前から読んでくれている方ならご存知でしょう。イギリスでは列車もバスも時間帯によって料金が相当変わってきますので、可能であれば各運営会社のサイトから直接購入するのをお勧めします。半分どころか、何分の一かの料金になることもあります。
列車のチケットはこちらから
Buy Cheap Train Tickets & Find Rail Fares and Times - Virgin Trains
バスのチケットはこちらから
Coach Travel & Airport Transfers | National Express Coaches
上記のNational Expressとは別に、ヨーロッパ各国やアメリカで運行している「メガバス」というバスがあり、National Expressよりも乗降できるバス停が少ないものの、かなり安価で利用できます。
行きたい場所にバス停があればラッキーという感じで、私はロンドンからカーディフに行く時に乗りました。なんと3ポンド(約450円)!
最近は値上がりして5ポンドから12ポンドくらいになっていますが、それでも破格です。
UK Coach Travel - Cheap Coach Tickets from £1.50 | megabus.com
列車でロンドンからカーディフに行く場合は、今ちょっと調べたところ最安値で46.5ポンド(約7000円)ですから、9倍とかですよ・・・
このように、選ぶ交通手段によって全く違ってくるので、事前に綿密な下調べをした方がいいです。
めんどくさい、という方はお声がけ下さい。旅程に基づいた交通手段をお調べします、調査料はお安くしときますよ!
さて旅に話を戻して。
ホテルから駅までは歩いて30分ほど。やや距離がありますが、昨日別行動をした母から、観光客向けではない商店街ぽいお店が並んでいて、すごく可愛い文房具屋でお土産を買ったと聞いていたので、駅に向かいがてらウィンドウショッピングしようとなりました。
街のシンボルである時計台をくぐり、トコトコ歩くと件の文房具屋が見えてきました。
明るくカラフルな店内に、文房具だけでなくパーティの飾りやバッグなどの雑貨も並んでいました。
こういうお店大好き。けっこうじっくり見て回り、文房具セットとノートを2冊買いました。
こちらの昆虫柄セット、実は母がピアノ教室の生徒さん用に買ったのと同じものなので、小学生男子とお揃いです・・・
だってかっこよかったから!もったいなくてまだ開けてません。
リング式ノートも昆虫柄。
「ruled pages」は「罫線付き」ということです。これも昆虫柄。
こちらは断面図にも柄が入っているのがポイントです。
他にも可愛いものいっぱいあったけど、昆虫が超COOLだぜ!と思ってテンション爆上げだったんですよね、この時。ていうか今も思ってる。
お買い物したり、デパートをのぞいたりして、チェスター駅に着いたのは11時15分でした。
駅舎はクラシカルな趣があり、左右対称の造りが美しかったです。
駅の中はなかなか広く、いくつもベンチが設置されており、無料で利用できるトイレもあって、過ごしやすい雰囲気です。
売店で軽食が買えるし、ATMがあるのも便利。
ちょうど空港で両替しておいたお金が終わりそうだったので、引き出してみました。
日本の銀行で使っているキャッシュカードでは引き出せませんが、あらかじめ作っておいたVISAデビットカードを使用しました。クレジットカードでも同様に引き出しができるみたいです。
カードの裏面に「PLUS」のマークが付いているものは、海外のATMでも引き出しできるのだそうです。
噂によると、海外のATMはカードが機械に飲み込まれたり、お金が出てこないのに記録上では引き出したことになってしまったり、最悪は引き出したところを強盗に遭ったり、というトラブルが起きると聞いていたので、これまで利用していなかったのですが、人通りがそれなりにある駅で、かつ何かあったら駅員を頼ればいいだろうという判断の下、チャレンジしてみました。
結果、何事もなくシワシワのお札が出てきました。ひと安心。
列車はほぼ定刻に出発し、だいたい予定通りにロンドン・ユーストン駅に到着。
地下鉄を乗り継いで、Blackfriarsへ。
経路はユーストン(Euston)からNorthern LineでEmbankmentへ、District LineまたはCircle Lineに乗り換えてBlackfriarsに到着。
駅構内には案内板がそこらじゅうにありますので、日本の都市の電車に慣れている方なら余裕だと思います。
さらに便利なのは、地下鉄構内の各所に置かれている「Tube map」です。
今はデザインが変わっていると思いますが、かっこいいのか怖いのか、ちょっとホラーテイストのあるこの表紙、好きです。
四つ折りの小冊子になっていて、開くと路線図が描かれています。
裏面に書かれている駅名から、路線図上での位置を検索できます。
タテ15センチ・ヨコ7.5センチで手のひらに載るくらい、ポケットに入れて持ち歩けるサイズです。
構内の案内板の下にはたいてい置かれており、無料でもらえます。
観光客の中には知らない人もいるので、地下鉄内で迷っている人に他の駅への行き方を聞かれ、何回か手持ちのものを差し上げました。
ホテルはこれまでいろんな街で見かけたプレミア・インというホテルチェーンの一つでした。
Premier Inn Hotels | Book Direct for our Saver Rates
1人1泊6500円ほどで、ロンドン中心部としてはお値打ちです。
部屋はそれほど広くないですが、浴槽のあるバス付きが嬉しい。あとホテル1階のレストランで食べられる別料金の朝食バイキングがなかなか美味しいです。
すぐ近くに我々が愛する激安スーパーTESCOがあるのも心強い。
チェックインして荷物を置いたら、再び地下鉄に乗ってビッグベン見物へ。
最寄り駅のWestminsterへはDistrict LineでもCircle Lineでも行けます。
いい感じにダブルデッカーも入れた写真が撮れました。
駅名から分かるように、ウェストミンスター寺院も近い。
すでに閉まっていたので、中には入れませんでした。
ウェストミンスターは閉まるのが早く、通常は15時、水曜日は18時までと看板に書いてありました。
しかも季節や行事によって変動するらしく、正確な情報は公式サイトでチェックするのが確実です。
Westminster Abbey » Entry Times
寺院前の芝生では、人々が思い思いにくつろいでいました。
観光地のど真ん中に、こういうスペースがあるのはいいですね。
ここでまた母と姪っ子が疲れたと言い出し、ホテルへ帰る2人とは別行動です。
あてもなくブラブラ歩いていると、王室騎兵隊の司令本部があるホース・ガーズの前を通りがかった時に偶然衛兵の交代式を見ることが出来ました。
ちなみに門の横に馬のフンがめっちゃ落ちてました、掃除はあんまりマメにしないんだろうか・・・
ビシッと決めた騎馬隊のお兄さんが立っていて
奥からも手前のゲートからも人が来て交代します。
あまり長い時間の式ではなかったですが、有名なバッキンガム宮殿の衛兵交代式と違って、柵もないし間近で見られて興奮しました。
すごいカジュアルに観光客が衛兵さんの進路に入って写真を撮るので、お巡りさんが時々注意してた。それも「あー、邪魔しちゃだめだよー」くらいのゆるい感じ。
そこからトラファルガー広場まで歩きました。
周りがだんだん賑わってきて、観光地らしい雰囲気です。
BBCシャーロックで見たまんまだ・・・!!!と内心ムハムハしてました。
広場の前にはナショナル・ギャラリーがあります。
これから入るには遅い時間だったので、ちょうど広場で始まった大道芸を見ることにしました。
見事なアクロバットと、身振り手振りや簡単な言葉での観客いじりもあって、国際都市ロンドンだわねーと感心しきり。ショーの後、些少ながらおひねりを渡しました。
すごく楽しかったよ、と伝えると、ニパッと笑って「Thank you!」と返してくれました。
その後も広場では次々と大道芸が始まり、ダンスあり、パフォーマンスありで、いくつかを眺めながら再びぶらぶら歩きです。
すると、かの有名な五つ星ホテル「The Savoy」があるではありませんか!
こちらのホテル、泊まるところにこだわりのない私がなぜ知っているかというと、大好きな映画に登場するからなのです。
「英国王のスピーチ」でアカデミー主演男優賞を受賞し、近年では「キングスマン」スーパークールな英国紳士スパイを演じたコリン・ファース主演!
「ハリー・ポッター」でスネイプ先生を演じるアラン・リックマン出演!
実は「ダイ・ハード」の1作目にも出ているんだぜ!
「チャーリーズ・エンジェル」が知名度高いけど、個人的には「悪の法則」がお勧めのキャメロン・ディアス出演!
3者3様に魅力のある役者陣がモネの「消えた名画」をめぐって繰り広げる、軽妙洒脱にして度肝を抜かれるコメディ・エンターテイメント作品。
それが「モネ・ゲーム」だ!!!
作品内で、上半身おしゃれスーツ・下半身パンツ一丁という魅惑の生足を披露するコリン・ファースが、ホテルの窓から抜け出して植え込みに落下するという間抜けにしてキュートなアクションを見せてくれたのがThe Savoyなんですよ。
これまた「映画と同じ!!!」と大興奮してパシャパシャ撮る私を、通行人が「なぜホテルを?」と不思議そうにじろじろ見てましたが構うものか。
偶然に発見したので感動もひとしおなのです。
ちなみにアラン・リックマン氏の全裸も拝見することが出来ます。ぽってり&モチモチしてて、ありがた可愛かったな・・・
ラッキーだったわとホクホクしつつ、そろそろテムズ川でも見ますかと大通りを右に折れ、ウォータールー橋へと向かいます。
ほどよい夕暮れ、橋の上に立ち、テムズに浮かぶ船を眺めながら頬を撫でる川風にあたります。
このとき突然、イギリスにいる嬉しさが胸にこみ上げてきました。
日本を発って約10日、やっとイギリスが体になじんできたのかもしれません。
ずっとここにいたい、帰りたくないと思ってしまった。
少し切ないけれど、これはきっと悪いことではないんだと思う。
そのままテムズ川沿いを歩き、ホテル最寄駅のBlackfriare方面へ向かいます。
途中にあるサマーセット・ハウスで、The World Illustration Awardsの展覧会が行われていました。
サマーセット・ハウスは古典主義的な建築様式の大規模な建物で、18世紀の終わり頃に建てられたそうです。
現在では政府関連機関や芸術・教育関連機関が入っているそうです。冬になると中庭がアイススケートリンクになり、ロンドンの冬の風物詩になっているらしいので、一度行ってみたいなー。
毎年世界各国からイラストレーターが出品し、8つのカテゴリーに分かれていて受賞作品を決めている国際的な催しなんだそう。展示に関するパートナーをサマーセット・ハウスが務めており会場を提供しているため、ここで作品を見ることができるんですね。
World Illustration Awards – The AOI
ちらっと案内板を見てみたら、無料で入れるとのこと。姪っ子はイラストを描くのが好きだし、誘ってみてよければ明日にでも来てみようと考えながら、お散歩は続く。
テンプル教会を過ぎてしばらく進むと、なにやら由緒ありげな建物が。
控えめにかけられたプレートには「J.P.モルガン銀行」の文字。
これがかの、良くも悪くも有名なJ.P.モルガン銀行のオフィスなのね・・・
英国の日が長い夏といえども、あたりはすでに暗い時間になっており、さすがにオフィスに人気はありません。
これ幸いと中を覗いていたら、重厚感のある建物の雰囲気とは対照的に、近代的な設備が整えられた会議室らしき部屋の様子をうかがうことが出来ました。
「大きなシノギの匂いがするな・・・」
※上記の意味が分からんという方は、原作:天王寺大、作画:渡辺みちおによる漫画「白竜」をご参照下さい。
「白竜」全21巻
「白竜 LEGEND」全46巻
「白竜 HADOU」1~5巻(※6巻は2018年2月11日頃の発売予定)
「白竜 LEGEND 原子力マフィア編」上下巻
「白竜」初心者には、上下巻で手に取りやすいながら、内容が特濃の「白竜 LEGEND 原子力マフィア編」をお勧めしますぜ!
簡単に言うと、えげつない手段を用いて荒稼ぎした金の匂いがするぜ・・・てことです。
とっぷり日も落ちた頃、やっとホテルに戻りました。
帰り道の途中、イギリスに本部のあるスシチェーン「itsu」のサーモン巻きをテイクアウトで購入しました。
ちなみにイギリス英語では「Take out」ではなく「Take away」が一般的なようです。
サケの獲れる北海が近いせいか、新鮮でなかなか美味しい。北欧でもサーモンは美味しかったです。
デザートはベリー入りヨーグルト。これも好みの味でした。
他にもスシを売っているお店はありましたが、ここが一番気に入ったのでロンドン滞在中は何度か行きました。
スシ以外にもアジア料理というくくりで餃子とかもあって、新作の開発にも余念がなく、季節ごとにデザートを変えたりと、いろいろと工夫しているようなので、機会があったらお試しください。
www.itsu.comただ、私が魚の中でサーモンが一番好きだから、点が甘いという可能性はあります・・・
夕食後は溜まっていた洗濯物をまとめて洗い、部屋のそこかしこに干して就寝。
4日連泊するため、干したまま日中に気兼ねなく出かけることができるのです。
明日からはがっつりロンドン観光です。
2017年の更新は今回で最後になります。続きは来年ですね!
よいお年を。