びよーんと長距離移動~湖水地方⇒ブロンテ姉妹が暮らした町ハワース

一夜明けたら、すっかり雨は上がっていました。

昨日はのんびりしていただけだから、あまりお腹が空いておらず、前日に泊まったホステルでもらった洋ナシとクラッカーで軽く朝食を済ませます。みずみずしくて美味しかった。昨夜は嵐だったし、近所に買い物できる店もなかったから、もらっておいて本当によかったです。

バスの出発時刻は8時32分、ランカスターには10時に着く予定です。念のため早くホテルを出たので、8時10分にはバス停に着いていました。

そして案の定、遅れるバス。分かってた・・・そんなこっちゃないかと思っていたよ。

待っている間にバス停周りの写真を撮りました。

スレート石を使った壁が特徴です。

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丘の上まで家が建てられています。

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小さなホテルがあったりして、ここに泊まっても良かったかも。

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ぶらぶらしてたら教会らしき建物を見つけました。

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だんだん晴れてきました。

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農作業用の器具などを売っているお店らしい。朝早いから当然閉まっています。

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写真の量が多いところからお察しの通り、時間を持て余していました。とっくにバスが来ていい時間なのに、気配すらありません。

不安になっていると、ふらりとバス停におじさんが現れました。バスのチケットを見せて「ここで合ってますか?」と聞くと、「もちろんだよ、そのうち来るよ!」と明るく答えてくれました。

そのうちって、WHEN!?

それをぐっと飲み込みました。おじさんはニコニコしています。

やがてバスがやって来ましたが、我々の乗るバスとは違うようです。念のため、降りてきた運転手さんにも尋ねました。

「ああ、このバスではないね。そろそろ来るよ」

そろそろって、WHEN!?

とっくに予定時刻は過ぎているのだ・・・

先ほどのおじさんは、このバスに乗るもよう。心配でブルーになる私を、運転手さんと一緒にキョトンと見ています。ダブルおじさんキョトンです。

なにをそんなに暗い顔をしているんだ?バスなんて遅れるもんだぜ?てな感じだ。

またこの2人が年の頃も同じくらいで、体型も揃ってぽっちゃりさん、顔も似ている気がします。並んで私を見ているさまは、さながらロールシャッハテストのよう。

問:何に見えますか?

答:2人のぽっちゃりおじさんです。

診断:お疲れのようですな・・・

とか妄想しているうちに、ようやく乗るべきバスが来ました。National Expressはトイレが付いているのが便利です。

湖水地方を南へ下ってランカスターへ向かう車窓はとても美しい。

ただすごく揺れます、あいかわらずめっちゃ飛ばす。おかげで出発が遅れたにもかかわらず、到着は定刻通りでした。

バス停から、鉄道駅までは少し歩きます。ここでも地図は準備していなかったのですが、ランカスターのバス停はなかなか大きく、付近の詳細な地図のプレートが掲示されていて、鉄道駅への行き方も描いてありました。

参考までに地図です、案内されている道は、私たちの通ったのとは違うルートですね。

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繁華街を抜けていく時、姪っ子の「慣れたものが食べたい」というリクエストでマクドナルドに寄りました。アップルパイ食べたかったけど、10時半前だったからまだ注文できなかった・・・

休憩してから、町を散策しつつ駅へ。幸いよいお天気です。

今回は時間がなくて立ち寄れませんでしたが、ランカスター・シティー・ミュージアムです。

Lancaster City Museum - Lancashire County Council

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湖水地方とは建築様式が違うようです。外壁の石のサイズが、わりあい均一ですね。

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クラシカルな雰囲気の街並みでした。次はのんびり観光したいなー。

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ランカスター鉄道駅です。ややこじんまり。

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カラフルなお花と乳白色の駅舎が陽の光に映えますな。

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さて、ここで一つクリアしなければならない課題がありました。

ここまで交通機関のチケットは、すべて事前にメールで送られてきたEチケットをプリントアウトしたものでした。

それがなぜか、ランカスターからキースリーまでの区間だけ「ファストチケットを現地の駅で発券せよ」という指令と共に、専用の番号だけが送られてきたのです。

なんでも駅に設置された機械を操作しなければならないらしい。

一応、発券の仕方はメールで説明されていたけど、ものすごく簡素なのは海外あるある。けっきょく、よー分からんわけです。

駅の中に入ってファストパス専用の機械を探したら、それらしきものが2台並んでいました。近づいて観察しても、どっちなのかちょっと分からない。

そこで窓口のおじさんに聞くことしました。

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「ファストチケットだから、機械で発券するようメールで言われたんだけど、どうすればいいの?」

おじさん、ニコリともせず「あっちに機械があるよ」

「やり方が分からないのです」

「ボタンを押せばいい」

おおっと、わりとそっけないぜ。

とりあえず、サンキューとだけ言って自力でやってみることにしました。やっぱり日本みたいに至れり尽くせりには助けてくれないなー。

落ち着いてよく見ると、機械の上にチケットマシン的なことが書いてありました。

タッチパネル上にはBuy ticketとかいろいろ表示があって、そのなかにFast ticketのアイコンが。

これか?と押したら、ファストナンバーを入力せよ、とのこと。入力すると、クレジットカードナンバーを入力せよ、との指示。

実はチケットを買うのにクレジットカードを使ったのですが、そのナンバーがファストチケット発券のコードになるよと言われていたのです。

指示通りに入力すると、あっさりチケットをゲットできました。

なーんだ、意外とかんたーん。

ここで経験したおかげで、その後1人になって自由に観光した時にサクサクとチケットを買えました。

そして列車も定刻の12時48分を少し遅れて出発。ローカル線っぽい、2両編成の可愛い車両でした。

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最初に止まったCarnforthという小さな駅を出たところで、走りながら車体がキーキーガタピシと派手にきしみ始め、乗客たちがざわ・・・ざわ・・・となりました。

まあ年季入ってそうでしたもんね。

14時15分到着予定でしたが、のんびりしてて乗り過ごしそうになり慌てて降りたので、定刻通りだったかは覚えていません。

とりあえず無事キースリーに到着。ここは乗り換えのためだけに寄った町でしたから、残念ながら全然見てないんですよね。

キースリーからハワースに向かうには、3つの交通手段があります。

蒸気機関車のキースリー&ワースバレー鉄道、ローカルバス、タクシー。

せっかくだし蒸気機関車に乗ろうかと思いましたが、学校の休み期間と週末しか運行しておらず、本数も少ないうえ、料金が大人16ポンド、シニア14ポンド、5歳から15歳までの子供が8ポンドだったんです。接続がよくなくて、ちょっとしか乗らないのに、日本円で2000円超えるのは、どうもなーと思いまして。素敵な鉄道ではあるのですが。

興味のある方は、こちらのサイトからどうぞ。

KWVR - Keighley & Worth Valley Railway |

そんなに鉄道好きでもないし、バスかタクシーにしようと事前に決めていて、当日は朝から移動づくめで疲れていたため、タクシーに乗ることにしました。

ガイドブックには、キースリー・ハワース間はタクシーでも6ポンドくらいと書かれていたし、ローカルバスでも1人頭2ポンドくらいだったので、3人で乗ればたいして変わらないからタクシーでホテルまで行こうとなったのです。

1人旅の場合はローカルバスがお得ですから、一応ご案内しておきますね。

ちなみに、キースリー鉄道駅と、キースリーバスステーションは少し離れています。

ざっくりですが、地図を載せておきます。

ショッピングモールの奥にあるのがバスステーションです。

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中はこんな感じ。広くてきれい。無料のトイレがあるのが嬉しい。

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キースリーのバスステーションからハワース駅前まで行ける路線は、Outbound(市外行き)と、Inbound(市内行き)があるので、お気を付け下さい。

915

915 - Keighley - Oxenhope Circular Clockwise – Bus Times

こちらはOutboundです。Stand Aから出ています。

916

916 - Keighley - Stanbury Circular Clockwise – Bus Times

こちらはInboundです。Stand Aから出ています。

917

917 - Keighley - Oxenhope Circular Clockwise – Bus Times

こちらはOutboundです。Stand Aから出ています。

かかる時間は30分くらいです。

今回私たちが泊まったホテルは、ハワースの駅から離れたメインストリート沿いにありました。駅から歩ける距離ではあるのですが、ハワースの町はかなり坂道がきついです。大荷物を引きずりながらだと、そうとう辛いと思います。ましてや、うちの母は膝を悪くしているため、タクシーを選択して本当に正しかったですね。

よろしければご参考に、キースリー駅からハワースのメインストリート手前のHaworth Sun Street(stop K)まで行ける路線です。

915

915 - Keighley - Oxenhope Circular Clockwise – Bus Times

917

917 - Keighley - Oxenhope Circular Clockwise – Bus Times

918

918 - Keighley - Oxenhope Circular Clockwise – Bus Times

上記の路線はすべてOutboundで、Stand Aから出ています。かかる時間は40分です。

500

500 - Keighley - Hebden Bridge – Bus Times

この路線は市外・市内行きの区別はありませんが、Habden Bridgeという駅で乗り換えをする必要があり、接続は悪くないものの(10~15分)、トータルで1時間20分くらいかかります。

我々はタクシーでホテルの前まで乗りつけました。20分くらいかかったと思います。それで6ポンド(約900円)でしたから、かなりお得です。運転手さんとめちゃめちゃ話が盛り上がったため、おまけしてくれたのですが、それでもやはりイギリスはタクシー料金が安いですね。

タクシーの呼び方ですが、キースリー駅にタクシーセンターが併設されており、カウンターで行きたい場所を告げると無線で呼んでくれます。

待つこと10分ほど、頭にターバンを巻いたヒゲのおじ様が現れました。

イギリスには中東系の移民が多いと聞いていたので、なるほどと思いつつホテルの名前を伝えると、「OK」と答えて出発です。彼もなかなかスピード出すのよね・・・

どこから来たんだ?なんて質問から始まって、日本からだよと答えると、息子さんが日本に何度も行っているとのこと。へー、そうなんだーと返事をしたら、おじ様はだんだんのってきて、パキスタンから来ていること、息子さんは今マレーシアで働いていることなどを教えてくれました。

マレーシアは経済が発展している最中ですもんね、よい選択だと思いますよと言うと、すごく喜んで「そうだろう?うちの息子は賢いんだ!」と声を弾ませていました。

それから、アジア人はヨーロッパ人よりも優しいから暮らしやすいしな、なんといっても同じアジアの仲間だから、とおじ様。

ふーむ、確かにパキスタンと日本は大きく括れば同じアジアだな・・・イギリスでのおじ様の苦労がしのばれて、そうですね、アジア仲間ですね!と答えます。

興が乗ってきたらしく、おじ様は「イギリス人は人によるが、フランス人は嫌な奴が多くてよー」と文句を言い始めました。

うわー、わかるー。あるあるだわー。

フランス人、というかパリに関するジョークで「パリは最高の街、パリジャン&パリジェンヌがいなければもっと最高だけど」というのがあるのを思い出します。

激しく同意っすよ!と笑いながら答えると、おじ様も「だろう?」と大爆笑。

なんか楽しくなってきちゃって、膝を叩いて大笑いしてしまった。おじ様もゲラゲラ笑ってて、横に座ってる母&姪っ子はなんで笑ってるのか分からないまでも、異常な盛り上がりがおかしいのか頬をヒクヒクさせて笑いをこらえてました。

笑えばいいと思うよ・・・

いや私も分かってますよ、フランス人のすべてが嫌な奴なわけないって。

ただ故郷を遠く離れた異国の地で、タクシー運転手としてコツコツ働いて、息子を外国で働けるようになるまで育てて送り出すって、きっと大変なご苦労をされてるんですよ。

時には愚痴をこぼしてガス抜きしたっていいじゃないですか。

とてもハッピーな雰囲気のまま、ホテル前に到着。料金は7ポンドと言われましたが、小銭が6ポンドしかなくて、3人で細かいの持ってるか?と話していたら「6ポンドでいいよ」とおじ様。

そんな、駄目ですよ。お釣り要らないからお札で・・・と言いましたが、微笑んで「いいんだよ」と言い、さっそうと去って行かれました。おじ様、ありがとう。

こちらが宿泊したホテルThe Fleece Innです。羊の看板が目印です。

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こじんまりしたB&Bでしたが、内装が乙女チックで可愛らしく、設備は充実していました。ご飯も美味しかったです、ただ味は濃いめで量は多かった。

そのぶん、なかなかのお値段でした。とはいえ、3人で1泊2万円くらいですから、ばかげて高くはないですね。

アンブルサイドからハワースまで、8時前にホテルを出て、着いたのが15時くらい。ほぼ7時間!いやー長かった。

この後、がんばってみっちり観光したので、ハワースの続きはまた次回ということで。

ブロンテミュージアムとヒースの丘を紹介します。

では。