旅の準備~ホテルを確保しよう
正直に言うと、ホテルにこだわりはありません。
それなりに清潔で、それなりに安くて、それなりに便利であればいい。
たしかに高級ホテルは素敵です。
泊まったことはないけれど、物見遊山でサミット会場になったこともあるホテルのカフェに行った時、立地・外観・調度品・スタッフ・お食事のどれも隙がなく、居心地がいいこと、この上なかったです。
滞在するのが楽しみになる、そんな場所でした。
しかしそこが、私のニーズとずれているんですね。
旅をしている間は、ずっと町にいます。
観光スポットを回るのもいいけれど、その土地に住んでいる人の暮らしに混じるのが好きです。
散歩して、お茶飲んで、たまに観光して、また散歩して、ご飯を食べて。ホテルにいるのは寝る時くらいです。
だから最低限の快適さがあればいい。いいホテルに泊まっても、魅力を味わえないからもったいない気がするんです。貧乏性なんでしょう。
だから「寝るためだけ」みたいなホテルを利用することが多いです。
しかし、日本のビジネスホテルみたいな感じのものって意外とないんですね。
日本でシングルルームに泊まるくらいの価格帯だと、たいてい部屋にバス・トイレがなく、ほとんどが共同です。
バス・トイレ付きの部屋になると、ポンと値段が跳ね上がります。
シャワーのためだけに、プラス〇千円を出す気にはなれない・・・
というわけで、しばしばホステルを選択しています。
「ホステル」といっても、浮かれたアメリカン大学生がどえらい目に合う、イーライ・ロスの映画みたいなことは起きないので、安心して下さい。
なんのこっちゃ、という方は以下のURLをご参照あれ。
Amazonのレビューを見るだけで、どういうストーリーか分かります。
流血ドバドバブシャブシャなゴアシーンてんこ盛りの、エログロ残虐サディステック・スリラーのため、非常に見る人を選ぶ作品ではありますが、後味はそんなに悪くないと思うの・・・けっこう好きです。
今回の旅行スケジュールは、フィンランドのヘルシンキで2泊して、ロシアのサンクトペテルブルグで3泊してから、戻ってきてまたヘルシンキで2泊です。
ロシアはルーブルが暴落していた時期(2015年12月時点で、1ルーブル=1.3円くらいだったと思います)であり、あまり安すぎると設備に不安があるため、高めのホテルでもやむなしと考えていました。
いっぽうフィンランドはというと、北欧はホテルが高いので有名です。
物価が全体的に高いのだからしかたないのですが、実情は少し違っていて、食料などの生活必需品は案外リーズナブルです。東京と変わらないか、少し安いくらいな場合もあります(乳製品とか)。物によって税率が異なるので、嗜好品ほど価格が高くなります。
ホテルは嗜好品のくくりに入るのか、西ヨーロッパと比較しても割高です。
しかしながら、実はヘルシンキで泊まる場所はほぼ決めていました。
前回フィンランドを訪れた時に利用した「ホステル エロッタジャンプイスト」が、私の条件を十分に満たしてくれるところだったからです。
ヘルシンキ中央駅から徒歩15分くらい、ワンフロアにシャワーは3カ所・トイレは4か所あり、めったに混まないし清潔、共同キッチンは広くて掃除が行き届いており、大きな冷蔵庫と電子レンジ・電気ケトルを備えています。調理器具と食器もたくさん準備されているから、スーパーで食材を買って調理することもできます。
もちろんフリーWifiも利用できます。電波状態は良好で、スピードも速いです。
スタッフは親切で、チェックアウト後にも荷物をあずかってくれます。
お値段もシングルなら7000円ちょい、今回は二人ですからツインで9000円を切るので、よりお得です。
この価格で、これだけの条件を満たすところは、なかなかありません。
連れに海外のホテル事情を説明しつつ提案してみたところ、「一度ドミトリーに泊まってみたい!」と言うではありませんか。
なにしろこれが初めての海外旅行ですから、むやみに気合が入っています。なんでも体験してみたい、だそうです。
えー、大丈夫かな?と賛成しかねる私に、自転車で日本一周したことあるから、野宿も民泊も経験してるし、とグイグイきます。
ホステルだからドミトリーはあるけど、宿泊費も3000円ちょいに抑えられるから助かるけど、本当に大丈夫?
ドミトリーは二段ベッドを並べた共同部屋だから、平気な人は平気ですが、無理な人はとことん無理っていうのを、これまで何度も見てきたのです。
しかも連れは、ほとんど外国人と交流したことがない、英語も少ししか話せない人です。
いきなり放り込まれて適応できるのかな・・・?
人によるけど、ガンガン騒いだり、音楽かけたり、パーティ始まったり、レアケースだけど夜のお姉ちゃん部屋に呼んじゃったりするよ。
その度に、ちゃんと止めてほしいって自己主張しなきゃいけないよ。言えばわりと素直に対応してくれるけど、空気を読んではくれないぜ。
心配なのもありますが、それでストレスをためてダウナーになられたら、気を使うのが面倒くさいじゃないですか。
うーん、と検討することしばし・・・ま、いっか。やってみれば。考えてもしょうがないもん。
こればっかりは、身を持って体験してみないと分からないのです。
日本にいる時はコミュニケーション能力が高くて、好奇心旺盛で、どこでも寝れるよって言ってた人でも無理だったりするし、私みたいに週に1回くらいしか外出しない、人と話さない、新しい出会いとかめんどくさいっすわ―な人が平気だったりする。
じゃあヘルシンキ4泊はドミトリーで、と決定。
途中で3泊挟むサンクトペテルブルグは、ドミトリーじゃなくツインに泊まろう、相部屋に疲れてたら、そこでひと息つけばいいよね、というスケジュールにしました。
ホテル探しに使ったのが、Booking.com(ブッキング・ドットコム)というサイトです。
「世界最大の宿泊予約サイト」と謳うだけあって、掲載されているホテル数が豊富です。
割引率も高く、タイミングによっては半額くらいになったりするのが面白いです。
ホテルが運営しているサイトから直接予約するより、安くなっている時もあります。
予約するのにデポジット(前金)が必要ないホテルは、ユーザーがバンバン仮押さえをするので、今日は満室で予約できなくても、数日後にはポッと空きが出たりする、ちょっとしたギャンブル感もあります。
行き先またはホテル名を入力し、チェックイン&チェックアウト日を選択して、宿泊人数を入力して検索します。
検索結果を、当サイトおすすめ順・料金の安い順・ホテルランク・中心地/施設からの距離・クチコミのスコア、でそれぞれ並び順を変えられます。
私はここで「El Rooms Apartments」を予約しました。
モスクワ鉄道駅から徒歩5分、ツイン3泊2人分で約9500円、140件近く付いているクチコミは、10点中9.6点。読んでみると、ものすごく評判がいいです。
ちなみに日本語でのクチコミは1件だけで、私が書いたものです。もしかして、初の日本人宿泊客なんでしょうか・・・
圧倒的にロシア人利用者が多いのも、なんだか信頼できる気がします。
バス・トイレが共同なのが不安要素ですが、クチコミによると広くて清潔らしい。オーナーはホスピタリティにあふれ、いつでも連絡できる携帯を無料で貸してくれるとのこと。英語も堪能だというし、コミュニケーションは問題なく取れそう。
結果、ここに決めて大正解でした!
最初にたどり着くまでは迷ってしまいましたが、道が分かれば確かに徒歩5分。すぐ近くに23時まで開いているスーパーと、24時間開いている薬局があります。
マンションのワンフロアを改装しているから部屋数は多くないものの、バス・トイレは二つあります。しかも片方はバスタブ付き。シャワーのみの方は、本当に広々。
私たちが泊まったのが12月15~17日というオフシーズンだったためか、他に宿泊客がいなくて、のびのび使えました。
外観から想像できないほど内装が可愛くて、テレビと冷蔵庫・電気ケトルを備えています。室内を十分に暖めてくれるパネルヒーターは、洗濯物を乾かすのにも便利でした。
嬉しかったのは、浄水済みのウォーターボトルを置いてくれていたこと。ロシアの水道水は飲めないことはないですが、旅先でお腹を壊すのは辛いので安心できました。
またサンクトペテルブルグに来る時は、ここに泊まります!おススメです!
さてホテルが決まったし、後はのんびり出発を待つばかり。
かと思いきや、海外旅行初心者の連れから、持ち物や服装について雨あられの質問を浴びせかけられるのでした・・・
次回は、持って行って便利だった物、冬のロシアの服装はどうすれば?などをお伝えします。
補足
サンクトペテルブルグなのにモスクワ鉄道駅という記述に「?」と感じた方もいらっしゃると思います。
ロシアの駅名の付け方は独特で、目的地が駅名になっているのです。
サンクトペテルブルグを出発して、モスクワに着くから「モスクワ鉄道駅」。
もちろん、フィンランドに着く「フィンランド鉄道駅」もあります。
私たちはヘルシンキ⇔サンクトペテルブルグ間を鉄道で移動したので、フィンランド鉄道駅を利用しました。3時間半くらいで国境を越えられるのが不思議な感じです。