ロンドンからカーディフへ~一人旅でリスタート
今年中にもう一回更新したいと言ったのを覚えているかな?
やればできる子なので実現しました!
ありがとう、ありがとう、みなさん応援ありがとう!(満場の声援の幻聴に応えて手を振りながら)
(前回のおさらい)
ベタな観光も悪くないよね☆彡
センチメンタルな夜が明けて、今日は母と姪っ子が日本へ帰る日です。
ホテルから空港まで向かうにあたって、以下の選択肢を検討したので参考までに。
ロンドン市内からヒースロー空港までの行き方は、主に5種類です。
①地下鉄/約1時間/運賃はオイスターカードを使えば時間帯により3~5ポンド
②ヒースロー・エクスプレス/パディントン駅から約20分/片道は2等なら21.5ポンド、1等なら29.5ポンド
③ヒースロー・コネクト/パディントン駅から約30分/10ポンド
④National Expressのバス/ヴィクトリア・コーチ・ステーションから約1時間/6ポンド
⑤タクシー/市内の場所によりますが、約40分/50~75ポンド
運賃の安さと、荷物を預けられる気楽さ、ホテルからの行きやすさの兼ね合いで、我々はバスを選びました。
地下鉄が一番リーズナブルなんですが、座れない場合があるし、そうなると結構疲れるんですよね・・・
その点、バスは予約制なので確実に座れますし、トランクに荷物を預けられて、ホテル最寄りのBlackfriars駅から乗り換えなしでVictoria駅まで行けるので楽なんです。
バスの予約は、National Expressのサイトからできます。
London Victoria Coach Station | National Express Coaches
飛行機はヒースロー空港発12時25分。あまり早くないのはありがたいですが、少なくとも2時間前には空港についておきたいと考えると、あまりゆっくりはしていられません。
空港までは1時間くらいで着きますが、渋滞に万が一巻き込まれてしまった場合を考慮すると、移動に2時間はみておきたい。
昔、沖縄に行ったときに渋滞のおかげで飛行機に乗り遅れたことがあって、それ以来どうしても早め早めじゃないと怖いんです・・・
12時25分の2時間前の2時間前、と考えて8時台のバスを取ったため7時半にはホテルを出ました。
Victoria駅までは5駅で約9分、あっという間に着きます。
ところで列車のVictoria駅とバスのVictoria coach stationはやや離れています。
Victoria駅の一番大きな改札から出て、目の前の通りを左に曲がり、ずーっと歩くと右手にクラシカルな建物が見えてきます。
実は当時、日本の感覚でバス乗り場は駅の中か周辺にあると思い込んでいて、Victoria coach stationの場所を確認していなかったんですね。
下調べの鬼、けっこう抜かりあり!
なので、改札を出た後に見回して、「あれ?ないじゃん?」とつぶやき、姪っ子と母を不安にさせてしまいました。
しかしイギリスについてはや2週間、ガイドとしての役割を果たしてきた私には、野生の勘が宿りはじめていた・・・(ここはいずれ伏線として生きてくるので覚えておいてください)
リュックを背負ったバックパッカーっぽい若者が数人、同じ方向に進んでいます。
バス⇒安い移動手段⇒バックパッカーが使いがち⇒彼らについていけばバス乗り場に行けそう!
瞬時にそこまで思い至り、「たぶん、あっち」と最後になるであろう2人の引率をします。
予測通り、5分も歩かないうちにVictoria coach stationの駅舎が姿を現しました。
この旅で何度目かわからない「知ってましたけど?」の顔で「ほら、そこだよ」とドヤる。
このVictoria coach stationですが、かなり大きな駅なので列車のホームに当たる出発ゲートが少なくとも10以上あり、しかも乗るバスがどこから出発するのか、あらかじめ決まっていない、という初心者泣かせのシステムを取っております。
なので建物に入ってすぐのところにある案内所で聞けば教えてくれるのでは?と考えた私が甘かった。
一段高いところにある台座から上半身をのぞかせた、いうなれば裁判官スタイルで下界を見下ろす職員に、チケットを見せながら「この便に乗りたいんだけど、どこから・・・」の「どこ」のあたりで食い気味の「NO」をくらいました。
「まだ決まってない、いちいち答えてられない、掲示板から探せ」的なことをまくしたてる職員。たしかに彼の背後には縦二メートルはあろうかという掲示板が三つの壁面にそびえたち、せわしなくカタカタと回転して刻一刻と変わる便名と出発ゲートを表示しています。
日本でも都市部では珍しくなった、駅名や出発時間を示す回転式の掲示板でした。今はほとんどが電光掲示板ですもんねー。
ぐぬぬ・・・と思いつつ引き下がり、掲示板を観察することしばし。時間順ではなく、アルファベット順に並んでいることに気が付きました。
仕組みが分かれば探しやすい。ヒースロー空港の「H」を見つけ、我々が乗る便は、まだゲート番号は不明、ということが読み取れました。
待っていた2人にその旨を伝え、あとはコトコト待つだけです。
出発予定時間の15分前くらいだったでしょうか、ゲート番号が表示され、運転手が遅刻して出発が遅れるというまさかのアクシデントが起きつつも、そこそこつつがなく出発。10時にはヒースロー空港に到着していました。
チェックインを先に済ませ、搭乗時間まで空港をぶらぶら。あちこちにUSB式の充電スポットもあるので便利だし、お土産屋さんもあって楽しいです。
我々の休憩場所。黒い椅子の手前にUSB充電できるコンセントがある。
奥にあるピアノでは、おじさんがジャズを弾いています。その他にも何人か弾きに来ていて、異国情緒がハンパなかった。
ただトイレが近くになかったので、そこは大変でした・・・というか搭乗ゲートの中に入れば見つけやすそうだったけど、私はイギリスに残るので、中に入ったら母と姪っ子の2人だけでどうにかしなければならず、とても不安だったため、多少不便でも私が一緒にいられるゲート外のほうがいいか、と思ったんです。
そしてそれは正解でした。
母がトイレに手荷物を忘れてしまったんですねー。
3人で休憩していた場所からわりと遠くにあるトイレに行って、また戻ってきた時に「荷物がない!」と気が付きました。
慌てて戻ったものの、すでに荷物はトイレになく、誰かが届けたかもしれないから職員に聞いてみよう、と向かっているところで、母のバッグを持った職員であろう青年が向こうから歩いてきたのです。
おお!それはわしらの荷物やで!と青年に声をかけ、トイレに忘れたので取りに来たのと説明すると、「中身は何?」と聞かれたので「お土産です」と答えたら、あっさり渡してくれました。
IDとか確認しなくてよかったのかしら?
荷物が置かれていた場所も、中身も合ってたからよかったのかな?
疑問は残りましたが、ともあれよかったです。
母もほっとしていましたが、これから2人でちゃんと日本まで帰れるのかしら・・・香港で乗り換えもあるし・・・と黒雲のような不安が胸中にこみ上げる。
そこで姪っ子に、君のほうが頼りになりそうだ、日本まで母を連れて帰ってやってくれと任せました。母は周囲をあまり見ていない上に、思い込みで動いてしまうのだ・・・
今回の道中で思い当たることがあったのだろう、姪っ子はキリリと気を引き締めた表情で「わかった、がんばるね」と応えてくれた。
不安は的中し、2人になった途端にダイナミックに迷ったそうですが、偶然にも日本語を話せる外国人男性に助けてもらい、無事に搭乗できたそうです。
人の情けのありがたさよ。
老婦人と子供という最も手助けするべきとみなされる組み合わせだったので、誰かが手を差し伸べてくれるだろうと思っていたのですが、意にあたったな、フフフ。
ちなみに香港では迷うこともなく、姪っ子が先導してスムーズに移動できたとのこと。
ああ、成長著しい・・・おばちゃんはもう泣きそうです。
ハラハラしつつも2人を見送り、これから1週間は一人旅です。
再びVictoria coach stationに戻り、今度は格安バスのMegabusでカーディフに向かいます。
Megabusは以前も紹介しましたが、イギリスとアメリカ、カナダで運行している格安バスで、日程や時間帯によっては驚くほど安く長距離移動ができます。
私が利用したときは、カーディフまで片道3ポンド(2018年12月のレートで約430円)でした。
乗車時間は4時間40分ですから、安すぎて怖くなるような価格です。ただまあ、ここまで安いのはまれで、さすがに最近は値上がりしているみたいです。それでも時期によってかなりお値打ちになります。
難点はNational Expressほど停留所の数がないことですが、目的地にバス停があればラッキーぐらいの気持ちで、まずは探してみてください。
Low cost coach and train travel in the UK | megabus.com
バスにはトイレが付いていますし、Wifiも使えるという話です(使えなかったけど)。多分これは機体によるんだと思う。サイトで見ると、ずいぶんサービスが充実しているのをうたっているし、当たり外れがあるんだと思います。
ムラのないサービスを提供しようという気持ちはあるんだろうけど、必ずしも追いついているわけではない、それがイギリス。私は学んだ。
格安バスだからか、見事に観光客がいない。というか東洋人は私だけだったかもしれない。
お隣は緑の髪のパンキッシュなお姉さんでした。目の周りを黒くするメイクって、彫りの深い顔立ちのほうが映えるわよね、とか考えているうちに眠ってしまい、はっと目を覚ますと町中でした。
「Cardiff?」
とお姉さんに聞いたら、「Yeah」とのお答え。
けっこうぐっすり眠ってしまった、疲れてたんだな。
バスを降りてみると、駅前とかではなく、どことも知れない道の端っこ。
一応ホテル近辺の地図は印刷してきたけれど、まず現在地を把握していないと地図は役に立たないのです。
ネットがつながらないので、ホテルまでの道が分からずさ迷うこと20分ほど。繁華街に足を踏み入れたところでフリーWifiが拾えて、そこからはサクサクとホテルを見つけてチェックイン。
The River House Backpackersというユースホステルで、以前にカーディフで一番朝食がおいしいホステルだと紹介しているブログを見て、カーディフに泊まるならここと決めていました。
シングルルームはなく、1人でも個室を希望するならツインルームのシングルユースで2人分の料金を払う必要があります。
1人分約30ポンドなので、その場合は1泊60ポンド(約8500円)となり、朝食込みだから格安ではないけど高くもない、というところでしょうか。
私は女性専用のドミトリー4人部屋に泊まって2泊で35ポンド(約5000円)でしたから、相部屋が気にならなければお得だと思います。
Hostels In Cardiff | Cheap Bed And Breakfast Accommodation
看板の「R」が取れちゃってるのが気になる。
ミレニアム・スタジアムという、かなり大きな全天候型スタジアムが目印です。
スタジアムを右手に見ながら通り過ぎ、橋を渡ったら右折して、しばらく進むと左手にホテルが見えてきます。
評判通り朝食は美味しく、なによりメニューがものすごく豊富で、ここでお弁当を作っていけばお昼も浮くな、と思いました。
支払いは現金のみだったので、お気を付けください。とはいえ2016年8月時点での話だから、今は大丈夫なのかも。でもイギリスだからなー、変わってないかもしれません。
それから、ドミトリーの部屋には洗面所が付いていないのは不便でした。でも洗面所付きトイレ&シャワールームがたくさんあったので、順番待ちで困ることはなかったです。
スタジアムの手前にはお馴染みのTESCOもあって、こまごました買い物に便利なのも嬉しい。
総合的に見て、トイレ&シャワーが共同でもよければ、かなりお勧めです。
さて、ホテルにチェックインした時点で、7時を回っていました。
共有のリビングスペースでは、さまざまな国から来たであろう若者たちが、食事をとりながら賑やかに笑いさざめいています。
私は話しかけることも、話しかけられることもなく、隅っこで静かに夕飯を済ませました。
早朝から移動続きの疲れもあったのでしょう、身軽になれた解放感と、1人ぼっちになった寂しさの狭間に落っこちたような、暗く沈んだ気持ちにずぶずぶとはまっていくのが自分でも分かりました。
海外に出ると、日本にいる時より感じる機会の多い、「かれら」と「自分」が薄い膜で隔てられているような、ぼんやりした疎外感。
差別、というほど強いものではなく、こちらが踏み出せば乗り越えられたりもするんだけど、明確に引かれている一線の存在。
あなたは我々の仲間ではない、と言外に告げてくる空気に心を削られてしまったんです・・・
一概に言葉の壁とか、年齢とか人種の違いとかだけが理由ではなかったりするんですよね、日本にいて、近い年齢層の人に囲まれていても、同じ居心地の悪さを味わうことがありますし。
気の持ちよう、てほど単純じゃないけど、気にしないように切り替えることはできる。普段ならさらっとできることが、この日はどうにも難しかった。そんな時もあるのです。
部屋に戻ると、さっきまでいなかった韓国人母子がいて、なんだかものすごくほっとしました。向こうもそうだったようで、しばらく話をしました。
同じアジア人に出会って安心するのは悪いことではないけど、その感情は違う人種だから親近感を持てないという気持ちとそれほど距離が遠くなくて、全肯定はできないよなと思う。
相手を個人として見たい。自分もそうしてほしいから。
旅の半ばで、ふと気を引き締める夜でした。
とはいえお2人はとても感じのいい親切な人たちで、すでにカーディフの街をひと通り観光してきたからと、お勧めの場所をいろいろ教えてもらいました。
川向かいのミレニアムスタジアムで上がる花火の音を聞きながら、話ははずみます。
お母さまが「よい旅を」と言ってくれて、その一言がふっと心を軽くしてくれました。
その後、夜中まで花火とスタジアムの騒ぎは続き(なんか祭りでもやってるのか?フーリガンか?という野太い叫びが響いてました)、「まだやってるのか」「うるさいね」とゲラゲラ笑って文句を言いつつ、カーディフ初日の夜は更けるのでした。
次回はさすがに年明けの更新になります。
一日みっしりカーディフ観光です。ベタにカーディフ城とか行ってます、でも一番のおすすめは博物館だよ。写真いっぱい撮ってきちゃったー。
それでは今度こそ、みなさんメリークリスマス&よいお年を!