公共交通機関のみで行ける湖水地方ケズィックへの道のり~ストーンサークル探索案内付き

テンションが常時高めの旅先とはいえ5時起きは眠い・・・

高緯度に位置するイギリスは、夏は日が長く、薄曇りながらもう外は明るくなっています。

急いで朝食を詰め込んで、ホテルのフロントへ下りていきます。

前日、明日は早朝にチェックアウトしてエジンバラ駅に行きたいとフロントのお兄さんに相談したところ、タクシーを勧められていたのです。たいていは10分くらいで来るし、朝早くても大丈夫とのことでした。

このホテルは内装が素敵なだけでなく、フロントにタクシーを呼ぶための専用ボタンが設置されており、押すだけでホテルまでタクシーが迎えに来てくれるのです。いちいち電話をかけて呼ばずにすむのはとても楽です。およそ5分くらいで来てくれました。

黒塗りの立派な車で、BBCシャーロックでシャーロックとワトソンがよく乗っていたものに似ていました。エジンバラ駅まで約15分、料金は6.8ポンドで1000円弱でした。日本と比較すると安めですね。チップも入れて少し多めに渡しました。

朝のエジンバラ駅からの眺め。オレンジに染まる建物がきれいでした。

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ホームで列車を待っている間、ベンチで隣り合わせたご婦人と「寒いわねー」などと会話を交わし、「このジャケットの下は半袖ですぜ」と脱いで見せて驚かれる。

定刻通りに列車がやって来て、ご婦人に「コーチAはどっちかしら?」と聞かれ、「ホームの奥の先頭のほうですよ」とお伝えする。コーチというのは、日本語でいう号車みたいな感じで、コーチAはA号車ですかね。

旅行者まる出しの東洋人だというのに、あいかわらず質問されがち。

旅先でもよく道を尋ねられるのはなんでだろう?と姪っ子に聞くと、「なんか知ってそうに見えるんだよねー」だそう。ロシアでも、道に迷ってる真っ最中にもかかわらず道を聞かれたっけな・・・

エジンバラを6時52分に出発し、カーライルという街に8時5分に到着。

ここはスコットランドとの国境の町として1600年に及ぶ流血の歴史を持っています。

昔からボーダーシティと呼ばれ、ハドリアヌスの城壁というローマ軍がケルト人の侵入を防ぐために築いた防壁の一部が残っています。

カーライル駅を出るとすぐシタデルという城壁跡もあり、コンパクトに見所がまとまっています。

奥にみえるのがシタデルです。

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今回は乗り継ぎで通り過ぎただけだったので、次は泊まってゆっくり見たいです。

さてリサーチの鬼としては、出発前に移動交通手段については隙間なく調べてきたのですが・・・カーライル⇒ケズィックだけは、よく分からなかったんです。

というのも、個人旅行をされてる方のブログに「バスで行った」と書かれていたため、イギリスでバスといえばこれ、National Expressと、格安バスmegabusで検索したのですが、ケズィックのバス停がある路線を見つけられなかったのです。

どちらも長距離バスですから、今にして思えば当然ですよね・・・

地球の歩き方にもケズィックへのバス路線が掲載されているのだから、バスがないというわけではあるまい。ならばぶっつけ本番で、現地で聞けばいいさとカーライル駅に降り立ったわけです。

ちなみに、ケズィックへダイレクトに行ける鉄道は掲載されていませんでした。実際にケズィックの町では線路を見なかったので、車で行くしか手段がないのだと思います。

後になって調べたところ、Bus Timesというサイトで、地名から路線を検索できました。このサイトはイギリスのバス路線及びバス停を網羅しているようで、ローカル線も見つけられるのが便利です。

Bus Times

カーライル⇔ケズィックのバス554線の時刻表はこちら。

554 - Carlisle - Keswick – Bus Times

なんと1日に4本しかないという。

バス停に辿りついてから撮った写真の時刻表には、73線と73A線もあると書かれていました。

それでも1日に多くて3本。73A線の8時発「NSch」は、月曜から金曜の学校の休日のみ、同じく73A線の8時発「Sat」は土曜日のみの運行です。かなり不便。

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そうとう交通の便が悪いらしいという情報は得ていたので、早朝にエジンバラを出発したのです。おかげで、9時30分発のバスに乗れました。終点のケズィックバス停の到着予定は10時41分。

チケットは現地で購入して13ポンド(約2000円)だったと思います。

で、肝心のカーライル駅からバス停までの行き方です。

おおざっぱに描くとこんな感じ。

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駅を出たところで、左手にバスが止まっているのが見えました。休憩中らしき運転手さんに、

「I would like to go to keswick, so could you tell me which bus I should take?」

(ケズィックに行きたいので、どのバスに乗ればいいか教えてもらえますか?)

と聞きました。

運転手さんは首をひねって(観光バスっぽい豪華めの車体で、現地の方ではなさそうだった)、ローカルバスで行きたいの?と聞いてきたので、うん、と答えると、目の前にある大通りを指差し、「バス停なら、あの通りにたくさんあるよ。詳しくは分からないんだ」と教えてくれました。

なるほど、と思い、直進して「ボッチャー・ゲート」に突き当たったところ、左手を見るとバスがたくさん止まっているじゃありませんか。

下の画像で見ると、車のマークが2つ並んでいる辺りです。

そこでまた止まっているバスの運転手さんに同様の質問をしました。

すると彼は「Turn right, left, and right」と言うではないですか。(なんか翻訳小説調になってきた)

私が指差しながら「Right, left, right, righit (右行って、左行って、右、ってこと)?」と聞くと、彼も「Right, left, right, right(右行って、左行って、右、だな」とうなずきます。

あまりに簡単な説明に、ほんまかいなと思いつつ言われた通り進んだら、ちゃんと着きました!

右行って、左行って、

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右行ったら、左手にバス停。

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さほど迷うことなくサクサクたどり着けたので、途中にあったパン屋でおやつを買い、バス停近くにある観光案内所でお手洗いも済ませました。(使用料30ペンスかかります)

バスはなんと2階建て。有名なダブルデッカーのように赤い車体ではないですが、かなり高い位置から通りを見渡せるのが楽しいです。

出発を待ちつつ通りを眺めていたら、謎の生き物を発見。

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お気づきいただけただろうか・・・

ピカチュウ、ゲットだぜ!

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OTAKUに国境はないんだなー、OTAKUは世界をつなぐ架け橋ね。

そしてここで、イギリスのバスの荒っぽい運転の洗礼を初めて受けるわけです・・・

すごいですよ、椅子の上で体がバウンドします。街路樹と窓ガラスが接触する音が、バサバサというよりボキボキいうし。なぜそんなに?というくらい飛ばしまくり。

ポリスアカデミー2」でスウィートチャックが言ってた「ここはル・マンじゃないぞ!」を思い出しました。

昔のコメディ映画ですが、映像はともかく内容に関しては今見ても古びてないし、とにかく笑えてスカッとできます。シリーズは第7作まであって全部見るのはさすがに大変なので、1と2だけでも騙されたと思って見てください。

私はもう何回見たか覚えてません。次に何が起きるか知ってても笑っちゃうんですもん。スラップスティックコメディのお手本みたいな映画です!

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話を戻して、バスは細い道でもやたらとぶっ飛ばし、停留所で待っている老婦人にスピードをほとんど緩めず寄せていくから、「おばあちゃん!ひかれるっ!!」とヒヤヒヤしましたよ。

よって、10時41分到着のはずが、10時ちょっと過ぎには着いてました。それでいいのだろうか?タイムテーブルとは?と考えましたが、以降に乗ったバスは、おしなべてそういう傾向だったので、そんなもんなのだと納得しました。

ケズィックのバス停前にはBoothsという大きなスーパーマーケットがあります。お手洗いも、ここでは無料で借りられました。雑誌や雑貨も売っていたり、イートインスペースがあったり、町の中心から少し離れていますが、あるいて10分程度だし、困ったらここに来れば良さそう。

天気はあいにくの小雨。でも傘をさしている人はあまりおらず、フードでしのいでいます。

この通りがメインストリートで、見所もお土産屋さんもほとんどここにそろっています。

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ウィンドウにチョコファウンテンがあるカフェ。ここでお茶しました。店内で使えるフリーWifiが便利でした。

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 旅全体を通してそうでしたが、よほどの田舎や山中でもなければネット環境は充実していて、フリーWifiが使えました。列車やバスの中でもユーザー専用のWifiを提供していることが多いです。わざわざ日本で海外専用のWifi機器を借りていかなくても大丈夫だと思います。

ただ、たまに接続状況が悪い場所もありますので、慎重派はレンタルしていった方がいいかもしれません。

日本人観光客はほとんど見かけなかったです。なぜかと言うと、日本人に人気がある湖水地方の中でも、ケズィックはわりとマイナーらしいです。周囲の景勝地へ出かけるトレッキングの起点になっていることもあり、本格的な装備をしている人たちも多く、観光地ではあるけど、ツアーバス乗りつけて短時間で去って行くタイプの町ではないようです。

そんな町を選んだからには、当然目的がありました。

鉛筆博物館と、キャッスルリッグ・ストーン・サークルです。

鉛筆博物館は、150年以上前から鉛筆を造っているダーウェント・ペンシル社の博物館で、鉛筆の製造過程や珍しい鉛筆、世界一長い鉛筆などが展示されています。ギフトショップもあって、すごく楽しみにしていたのですが・・・なんということでしょう、洪水の被害により博物館は修理改装中で閉鎖されていたのです!

ショックでした・・・再開は2017年の春だそうです。機会があったら、今度こそ行きたいと思います。

Pencil Museum

 オンラインのミュージアムショップは利用できるそうなので、よろしかったらどうぞ。

Official Derwent Online Store | Colouring Pencils - Drawing Pencils

街の雰囲気はレトロな感じで、澄んだ川も流れていて(でもこれが洪水の原因)、のんびりした心地よさがありました。映画館もおしゃれ。

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宿泊したのはYHAケズィックというユースホステル、2段ベッドが2つの4人部屋を3人で使いました。

窓から川が見下ろせてすがすがしい。耳を澄ますとせせらぎも聞こえます。

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部屋に洗面所はありますが、トイレ&シャワーは共同。数が多いので、混雑して困ることはありませんでした。基本的に清潔ですが、シャワーの構造が初めて見るタイプでした。

シャワースペースにカーテン等の仕切りがなく、段差のみで床の水濡れを防いでいました。タオルや着替えはシャワールームのすみっこに置くしかないんですよね。たしかそのために椅子があったような・・・

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町をひと回りした時、The Puzzling Placeという面白そうなミニ博物館を見つけました。

Lake District Attractions Keswick Puzzling Place Things to do

目の錯覚を利用した、だまし絵的空間が体感できて、小さいながらも十分に楽しめました。

ホテルに戻ったのが午後3時ごろ。母と姪っ子は疲れたから休みたいというので、私だけがもう一つの目的、むしろこっちがメインのキャッスルリッグ・ストーン・サークルへ行くことに。

これはミニ版ストーンヘンジという感じで、丘の上に48個の卵型の石が環状に並べられており、3000~4000年前に造られたと言われています。

町からは徒歩40分ほど、バスも通っていますが、ものすごく便数が少ないため歩いたほうが早そうです。

私も歩きました。ほどよく管理された自然の中を歩いてくので、けっこう気持ちいいです。ただお水とチョコレートなどの携行食を持っていくことをお勧めします。

こちらもケズィックまでの交通手段と同じく、日本で手に入れられた情報は「そういうものがあるよ!詳しく分かんないけどね!」というものだけで、現地でどうにかするしかなかったです。

ラッキーなことに、ホテルのフロントのお兄さんが親切にも地図をコピーして詳しく説明してくれたため、スムーズにたどり着くことが出来ました。みなさんに助けられて成立する旅ですなー。

町中を抜けて牧草地に入る頃には、少し雨が上がってきました。

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空気がおいしい。

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苔むしたスレート石の石垣に時の積み重ねを感じます。

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牛もいれば

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羊もいる

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着きました。丘をトコトコ登って小一時間。歩いている人は他に誰もいませんでした。

ものすごく簡易な柵がありますので、自分で外して入ります。拝観料は無料です。

歴史のある遺跡のはずですが、見物人がカジュアルに中に入っているのが驚き。

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お兄さんなんか触ってるし。

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全体を俯瞰で見られる配置図がありました。どんな目的で建てられたのかしら。

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説明版もあります。要約すると、結局のところ何のために建てられ、どう使われていたのか、未だによく分かっていないそうです。

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せっかくなので、人がいなくなるのを待って写真を撮りました。

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実はこのストーンサークルは牧草地の中にあります。仕切りもなくて、遺跡の横で羊が草を食んでる。

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羊も近い。可愛い。

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じっくりしっかり堪能できました。でもまた行きたいです。後に本家のストーンヘンジにも訪れたのですが、こちらも暖かみがあって好きです。

周囲の風景に馴染んでいるだけあって、数百年も、もしかしたら数千年もこの景色は変わっていなくて、きっと私が死んでからも同じようにここにあるんだろうと思わせられます。

そう思うと、どうしてかとても心が穏やかになるのです。

帰りは、行きとは違う道を通りました。ホテルのお兄さんが、最短距離の道と、歩くのが楽な道の2つの行き方を教えてくれたので、往路に坂を上って疲れたから、復路は楽な方を選びました。

牧草地を抜けてから、広い道路を通ってホテルに戻りました。道は平たんだから歩くには楽だったけど、そのぶん距離は長くなりましたね。

おおざっぱな地図です。YHA Keswickがホテルです。青い丸で示したルートが往路で、矢印で示したのが復路です。

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やっぱり歩いているのは私一人でした。ビュンビュン車が走る横を、ゆったり歩くのはいい気分です。足は疲れたけど、いい経験でした。

ホテルに戻ったら午後6時くらいになっていました。少し回復した姪っ子を連れてキオスクで夕飯&翌日の朝食の買い物。ホテルには共同のキッチンがあり、冷蔵庫を使えるのが助かります。

海外ではよく見るけど、日本ではあまり見ないオイル漬けのオリーブ&チーズを買いました。大好物なので、日本でも買える店があったら教えてもらえると嬉しいです。

アクティブな移動&観光の1日だったから、早めに寝ることにしました。

明日は湖水地方でも人気の高い町、アンブルサイドへ向かいます。

ここまでガンガン長距離を移動してきたので小休止、の予定が、思いがけぬ悪天候に見舞われボーっとするしかない、ある意味贅沢な時間を過ごしました。

詳しくは次回。

では。