ロンドン初日~キング・クロスのマクドナルドには熊がいた

広すぎねーか!?キング・クロス!!!!

穏やかに流れゆく車窓の風景に癒されながら、時に地に潜り、時に地上の街並みを眺め、後半はロンドンの地下を走ること小一時間。

たどり着いたキング・クロス駅は驚くほど広かった・・・どこへ行けば地上に出られるのか、まったく分からない。

大都市のターミナル駅を利用したことがある方ならお分かりでしょう、出口が広い範囲に複数あるから、出る場所を間違えると目的地に到達するのにかなり苦労するということを。

なんとなくぼう然と人々の流れを見ていたら、「その辺の人に聞けば?」という母の言。

まあ、そうなんだけどさ。みなさん忙しそうだし、どうすっべかなと観察すること数秒、行く人の流れに一定の方向があるのに気づきました。

とりあえず乗ってみよう、このビッグウェーブに。

「たぶん、こっち」

スタスタ歩き出す私に付いてくる年の差55の2人組。

右に曲がり、左に折れ、階段を上り(今でもどういうルートをたどったのかよく分からない)、目の前に広場が開けました。

くるりと来た道を振り返ると、まさにキング・クロス!

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デカすぎてカメラに収まらなかったので、向かい側の道から撮りました。

そして通りを挟んでそびえ立つ、やたら荘厳な建物!

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教会かと思いきや、現在は駅舎として使われているみたいです。調べたところ、セント・パンクラス・インターナショナルという駅で、ユーロスターの発着駅なのだそう。いつかは使ってみたいものですなー。

パねぇ!ロンドン、パねぇ!と興奮しきりの私を普段ならば窘めるはずの母も、やはり興奮して郵便局のATMの写真を撮れと指示してきます。

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意図は分からない!でもイエス、マム!と浮かれて撮りまくる。

うわー、あの建物かわいくなーい?ほんとだ、ちょーかわいい!

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極端に語彙力が低下しているが、それを咎める者はここにはいない。

ひとしきり騒いだ後はホテル探し、といっても本日宿泊予定のホテルは駅から150m。

日本で印刷してきた地図を片手に、5分と経たずに見つかりました。

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駅を出てすぐ目の前にあるマクドナルドを目印にしていたのとは関係ないでしょうが、ホテルの名前もマクドナルド。トリプルルームの朝食付き、このロケーションで85ポンド≒11500円と破格の安さでした。

バス(シャワーのみ)とトイレが共用で、かなり狭かったのが難ですが、清潔だし、客室数のわりに数があるのか混むこともなく、使いたい時に使えなくて困ることはありませんでした。ちなみにバスとトイレは別々の部屋ですから、誰かがシャワー浴びてるからトイレに入れない、という困り事も起きないです。

ただ本当にバスが狭くて、着替えを置くスペースもないのです。ドアにあるフックにかけておくだけ。部屋を出てすぐの場所にバスがあったのもあり、風呂上がりはタオルを巻いだけで部屋に戻ってました。

気になるのはそこのみで、部屋は広く設備も問題なし、朝食は美味しくて適量(これが海外では貴重!)、フロントの方は親切で感じが良いし、お風呂は浴槽につかりたい派の母でさえ、次もまた泊まりたいというほどでした。

キング・クロス駅が近いだけでなく、ユーストン駅にも徒歩15分ほどで行けるから、どこに行くにも便利です。

すぐ近くにイギリスの激安スーパーとして名高いTESCOがあり、食料品の買い出しもできます。もちろんレストランもたくさんあります。お勧めの宿です。

マクドナルド ホテル (イギリス ロンドン) - Booking.com

長い旅路の果てに、やっとベッドに寝転がれた我々は、備え付けの湯沸かし器で紅茶を入れてホッと一息。

湯沸かし器は内部の電熱線がむき出しで、ちょっと錆びてたけど、なんかもういいよね?沸かしちゃえ!と3人ともすっかり豪快になっています。旅は人を変えるのね。

落ち着いたところで、機内食を詰め込みまくったお腹に空きが出てきたのに気づきました。明日は朝9時の列車に乗り、エジンバラへ向けて4時間半ほど揺られていく予定なので、なにかしら昼食を用意しておいた方がよかろうと、買い出しに行くことにしました。

フロントにはふくふくした笑顔の可愛いおじさまが座っていました。例えて言えばメガネをかけたプーさん。

「Are there any supermarkets around here?」

(この辺りにスーパーマーケットはありますか?)

と聞くと、よく尋ねられるのか地図が用意してあって、ペンで印を付けながら教えてくれます。

余談ながら、

Is there any supermarket around here?

でも同じ意味ですが、「Are there~?」の方が一般的なようです。

英語では名詞を使う時に複数形にするのが自然な感覚で、単数を使う方が特別な状況を意味するみたい。

よって、「Is there~?」の聞き方だと、この近辺にスーパーは一軒しかないと思って質問している、というニュアンスになりますが、「Are there~?」だと、いくつかあるといいんだけど、近くにあるかしら?というニュアンスになります。

どっちも間違ってはいないけど、複数形の方がしっくりくるらしいです。日本語にはない感覚なので、話す時に気を付けるようにしています。

とりあえず、プーさんにお礼を言ってホテルの外へ。

ホテル前の通りです。

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向かい側の通りにはレンタルサイクル屋があり、イカツめのお兄ちゃんが店番してました。

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レンタルサイクルはメジャーらしく、町のそこかしこでスタンドを見かけました。

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ホテルの前の道をキング・クロスに向かって進み、大通りに出た角を右折して少し行ったところに、小さなお店がありました。スーパーというよりは、八百屋さんという感じ。

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ここで済ませてもいいけれど、事前に予習したイギリス旅行記で何度も目にしていたスーパーTESCOにどうしても行ってみたくて、5分ほど歩いて念願の初上陸を果たしました!

いきなり冷蔵コーナーの扉が壊れて外れっぱなしだ!

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ガツンと思い知らされる異国感・・・さすが庶民の激安スーパーTESCOだわ。

他には特にびっくりポイントはなかったのですが、見てるだけで楽しい。外国のスーパーって、品ぞろえもディスプレイも国ごとにそこはかとなく個性があって面白いですよね。

とりあえずミネラルウォーターとサンドイッチ、プラスチックのカップに入ったイチゴ&ブルーベーリーを買いました。

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ミネラルウォーターは種類にもよりますが、500mlが1ポンド前後。大きいボトルを買えばもっとお得になるものの、今日の夜用と明日の昼に持っていく用のため500mlを2本買いました。

果物のカップはいろんな種類の組み合わせがあります。りんごやメロンが入っていたり、パイナップルだけのがあったり、私のお気に入りはやっぱりイチゴ&ブルーベーリー。

大きさもバリエーションがあって、この日買ったのは、高さ10センチ×幅8センチくらいの1ポンドのもの。同じホテルに連泊する時には大きいサイズを買って夜と朝に分けて食べていました。

日本のスーパーと同じようにタイムセールがあり、サンドイッチコーナーで値引きシールを貼っているお姉さんを発見。

テンポよくシール貼りする姿を観察していたら、「それ(私が持っているベーグルをさして)はまだ値引きされるやつじゃないよ」と教えてくれました。

残念感を漂わせつつ「Oh・・・」とつぶやくと、クスッと笑って値引きされたサンドイッチをさし、「こっちなら安くなってるよ」と勧めてくれました。

エビとレタスの挟んであるやつで、エビ好きとしては申し分なし。日本のしっとりしたサンドイッチとはパンの種類が違うのか、少しパサッとしていますが、けっこう美味しかったです。

帰り道、可愛いパブを見つけました。

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渋めカラーの建物に、ぱっとあざやかなお花のディスプレイが映えるわー。こういうお花使い、いろんなところで見ました。

交差点の角にあったシャレオツなパブ。

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その横に落ちていた手袋。

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『道に落ちている手袋はいつも片方だけの法則』は世界共通なんですねー。

 黒革のグローブというところに英国感が漂います。

どこかの紳士が「オー、テブクロガカタホウナイデス!」と困っていることでしょう。

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また、いたるところに両替所があって、各国通貨とのレートを掲示しているのですが、字が汚いうえに肝心のドルとユーロが消されたまま放置されてる看板がありました。

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壊れてるのそのまま、とか、間違ってるのそのまま、とか、以降もわりと見ました。

イギリス人けっこういい加減だぞ・・・というか日本人が驚異的にきちんとしているのかもしれない。

ホテルに戻って24時間ぶりくらいにベッドで就寝。

翌朝7時には目を覚まして、こじんまりした食堂へ行き、お待ちかねのイングリッシュブレックファーストです。

トーストは1枚、目玉焼きとベーコンとチリビーンズ、オレンジジュースと紅茶もついてきました。

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分かりにくいけど、左上がベーコンで下がチリビーンズです・・・

トーストに塗るバターとジャムも数種類テーブルに並んでいました。

ベーコンは少し硬いけど塩辛すぎず、チリビーンズもまろやかなお味。朝にはちょうどいい分量でした。これがいかに得難いことか、我々は後に思い知らされることとなるのです。

厨房へThank you!と声をかけて部屋に戻り、チェックアウトする前にトイレに行っておこうとした時、ハプニングが起きました。

思い返せばドアを引いた瞬間に、小さな声で「ノー・・・」と聞いたような気がします。

せまーいトイレに毛むくじゃらのゴツイ男の人が座ってて、どうにかして開いていくドアを止めようと手を伸ばしていました。

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「Sorry!」

慌ててドアを閉めます。

でも小さなトイレにみっしり詰まった熊さんみたいなモジャモジャ君が目に焼き付いてしまったわ。狭い空間からはみ出さんばかりの熊男のインパクトたるや。思い出すだけでニヤニヤします。

ドアの向こうからも「Sorry」の声が。

こっちこそ、ごめんね・・・

この時は出てきませんでしたが「こちらこそごめんなさい」を英語で言うと

I'm the one who should apologize.

または

I'm the one who should say sorry.

て感じです。誰かが入っているトイレを開けてしまう機会があったら使って下さい。

たぶん彼、お家でトイレに鍵をかけない派なのでしょうねー。日頃の習慣って、知らずにやってしまうものですから。私もかけない派なので、気をつけたいと思います。

フロントには昨日のプーさんではなく、ご婦人が座っていました。ご夫婦なのかな。

チェックアウトする際に、たいてい「ここでの滞在はどうだった?」という意味合いで

「Everything's OK?」などと聞かれます。

簡単に「Yes」でもいいですが、ひとこと「Yes, thank you」と付け加えるだけでも雰囲気が和みます。

もちろん、問題があったら伝えた方がいいです。黙って我慢するよりは伝えた方がすっきりするし、問題の解決にもつながりますので。

満足している場合には、「It’s so nice(素晴らしかったよ)」とか「It's Perfect(完璧だったよ)」なんて言ってみるのもお勧め。確実に喜ばれます。一期一会なのだから、気持ちよく別れたいものです。

キング・クロス駅に着くと、広場で朝市をやっていました。

美味しそうなパンが並んでいて、これを知ってたら昨日スーパーで昼ご飯を買わなかったかも。次回は試してみよう・・・

列車のチケットは前もってVirgin Trainsのサイトで買っています。

Buy Cheap Train Tickets & Find Train Times - Virgin Trains

送られてきたチケットを印刷して持ってきたから、どうやって改札に入ればいいのか分からなかったため、近くで談笑していたイケメン駅員さんに聞きました。

チケットの左上にあるQRコードを、ICカードみたいにタッチすればいいのだそう。

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ついでに、私たちの乗る列車が何番のプラットフォームから出るのかも調べて教えてくれました。イケメンなうえに親切とか、紳士すぎる。

プラットフォームはガラス張りのドーム型、ヨーロッパの駅舎ではスタンダードらしいです。

お好きな方にはたまらない画像と存じますので、ヨコ長とタテ長の両方でどうぞ。

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ハリー・ポッターでおなじみ、ホグワーツ特急の出る9と4分の3ホームを見てみようかなーと少し探しましたが、近くに見当たらず案内板もなく、出発時間もせまってきたのでスルーしちゃいました。

もっと奥の方にあったみたいです。これもまた次回の楽しみに取っておきましょう。

 座席は向かい合った4人がけで、真ん中にテーブルがありました。充電用のコンセントがあるのも嬉しい。チケットを買った時にメールで送られてくるパスワードを入力すれば、車内でフリーWifiも使えます。

定刻通りに列車は出発。脳内で「世界の車窓から」のテーマを流しつつ、エジンバラへと向かいます。

次回はエジンバラぶらり散歩&この旅で2番目にあたるピンチにマジ切れ、をお届けします。

では。