待ち合わせは現地集合~ヘルシンキ空港で僕と握手!

旅行中に撮った写真をいっぱい載せるぞーと意気込んでいたら、はてなブログの運営から「はてなフォトライフの今月の利用容量が上限に達したよ」というお知らせが届きました。

オーマイ・・・とりあえずAmazonの埋め込みリンクを止めてみましたが、どうなることか。

よい方法をご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示下さい。

 

さて、2015年12月13日。

11時55分セントレアヘルシンキ行きの飛行機に乗るために、早起きして久しぶりに電車に揺られていたところ、フィンエアーから「飛行機が2時間遅れてるよ」というメールが届きました。

さっそく連れに連絡です。

ここで思い出していただきたい。

私は愛知県在住、連れは東京都在住です。それぞれ最寄りの空港はセントレアと、成田または羽田。

そして今、私が向かっているのはセントレア

そこで連れが待っているのか?わざわざ名古屋まで来てくれたのか?

いいえ、違います。

連れは成田からヘルシンキへ向かい、私はセントレアからヘルシンキへ向かう。合流するのはヘルシンキ・ヴァンダー空港。

そう、エクストリーム現地集合です!

 

ここに落ち着くまで、少々揉めました。

Q.成田発セントレア着またはセントレア発成田着の飛行機にして、各々の交通費負担のバランスを取りつつ、同じ飛行機に乗れるようにするのはどうか?

A.旅費が乏しいので、発着地を同じにして、リーズナブルなリターンチケットを利用したい。申し訳ないが、協力してほしい。

Q.ヘルシンキ空港で待ち合わせなんて、初めて行く場所だし、もし会えなかったら?

A.私は前に行ったことがあるから構造を知ってるよ。それほど大きくない空港だし、分かりやすい待ち合わせ場所を指定するから。すれ違ってしまっても、空港内はフリーWifiが使えるので大丈夫。

Q.飛行機に乗るのも初めてだから、なんだか不安。

A.行く時は日本発だから、分からないことがあったら空港スタッフに聞けば教えてくれるよ。ラッキーなことに帰りの便は途中まで一緒(セントレアまでは同じ便で、連れはそこで乗り換えて成田へ)だし、外国でのチェックイン手続き等は任せたまえ。

Q.入国審査で質問されたら、どう答えればいいの?そもそも英語が分からないし。

A.旅行の目的と、滞在日数くらいしか聞かれないよ。「サイトシーング」と「セブンデイズ」を覚えておけばいいと思う。日本人はあまり厳しく調べられないし、どうにもコミュニケーションが取れないと呆れて通してくれるよ。

Q.長時間、飛行機に一人で乗るの寂しいよ・・・

A.それぐらい自分でなんとかしろ。

まとめると以上のようなやり取りの末、しぶしぶ納得してもらったのです。

 

ただでさえ心細い思いをしている連れに、取り急ぎ飛行機の遅延を伝えなければいけません。

本来であれば、私の便は11時55分発の15時10分着、連れの便は11時30分発の15時着の予定でした。

あまり時間のずれもなく待ち合わせできるはずが、2時間遅れとなると、かなり待たせてしまうことになります。

どうやら、連れの方は定刻通りに出発するらしい。

「じゃあ、空港を探検して時間をつぶしてるね」

という意外にあっさりした返事にほっとして、こちらもセントレアで暇をつぶすことにします。

デッキに出て飛行機の発着を見たり、新しく開店したショップをチェックしたり、空港内の両替所を回ってレートを比べてみたり。(何銭かの違いですが、出国ゲートのチェックインカウンター近くにある両替所のレートが一番良かったです。※自分調べ)

でも時間余るわー。

暇を持て余して、ご飯を食べてしまったのは失敗でしたね。搭乗して1時間くらいで一回目の機内食が出ましたから。お腹いっぱいだったけど残さず食べました。意地汚いので。

 

どうにか2時間を過ごして、ようやく出発です。

席はトイレに近い壁際の通路側。フィンエアーは事前に席を指定できるので、席を倒す時に気を使わないでよく、なおかつトイレに行きやすい場所を選択しました。

隣にはどんな人が来るのかしら・・・ものすごい巨漢とか、セクハラ野郎でなければいいけど、とソワソワしていると、現れたのは外国人のお兄さん。ひょろりと背が高く、かなり若そう、学生さんかしら?

はにかみつつ、「OK?」と聞いてきます。

「Yes, please」微笑みを返します。

腰を下ろしても、感じよく笑顔でお礼を言うものの、こちらに積極的に話しかけてくる様子はありません。

アメリカ人ではないな・・・という偏見に満ちた予想を立てました。

しかしこの青年、めちゃくちゃコーラを飲みます。というかコーラ以外の水分を取ろうとしない。機内食にはお水が付いてくるのですが、手を付けません。

そしてフライトアテンダントさんが通るたびに「Coke, please」

おいおい青年よ、ちょっと飲み過ぎじゃないかい?君のことはミスター・コーラと呼ばせてもらうよ。

「ヘイユー、『わたしの血はコーラでできてるの』なんて言い出すんじゃないだろうね?HAHAHA!」

と小粋なジョークもかましたくなります。

(ああ誰かに言いたい。今この瞬間に産声をあげて、人知れず消えていくジョークが浮かばれない。とはいえミスター・コーラに話したところで受けはしないだろう。まず川島直美の説明からしなければならないからだ。)

モヤっとした気持ちを抱えたまま、「あなたは本当にコーラが好きなのね」という優しい笑みを浮かべる私。えへへ、そうなんだ!的に再びはにかむミスター・コーラ。

うん、やっぱり君はアメリカ人ではないね。※ノルウェー人でした。

こうして伝えられて満足です。成仏しました。

 

 シートベルト着用サインが消えた後、ミスター・コーラがタブレットを取り出します。デカいヘッドホンを付けて、動画を見ながら音楽を聞き始めました。

チラ見からの、二度見をしました。

ミスター・コーラよ、液晶ひび割れすぎじゃない?

「蜘蛛の巣状」とはまさにこのこと。

しかもこれほど繊細な蜘蛛の巣は、根気と熟練の技を持つ職人の仕事であろうという、芸術的ですらある出来ばえです。

ていうか見えてるの?見にくくないの?ミスター・コーラ(気に入ってる)。

やきもきしながら見守っていると、ACケーブルを取り出してキョロキョロし始めました。

充電がしたいのだね?

ミスター・コーラはこちらを見て、「充電したいから、コンセント使ってもいい?」と尋ねてきます。

先だって、フライトアテンダントに告げられた「コンセントは一つしかないから、共有して使って下さいね」というお願いを踏まえているのでしょう。

好青年です。

こころよく「Of course, please use it」と答えます。

彼もニコニコして「Thank you」と言い、席の間にあるコンセントに手を伸ばします。

ごそごそごそ。

おお、このフレンドリーな空間よ。

ごそごそごそ。

ずいぶん下にあるようで、一生懸命手を伸ばしています。

ごそごそごそ。

手を伸ばしています、手を伸ばしています、手を伸ばして・・・

遅くねーか!?

ミスター・コーラも焦っているのでしょう。耳が真っ赤です。

こういう時は、焦れば焦るほど上手くいかないものなのです。

あら、あきらめた。

見かねて声をかけました。「Can I try it?」(ちょっと貸してみな?)

おそらく彼は隣に座るレディに遠慮して、ガツンと奥まで手を突っ込めなかったのであろう。オラオラ感満載のガサツな手つきでプラグをつかみ、コンセントを探り当てる私。

「I did it」(やったわよ)

「Oh!」喜びに目を輝かせるミスター・コーラ。

頷いてサムズアップ。

おお、この一体感よ。

ただACプラグをコンセントに差し込んだだけなのに、偉業を成し遂げたような気分です。

 

それからは、ぼつぼつと会話するようになりました。

日本に友達がいて、何度も来ていること。

学生ではなく、すでに働いていて、今回は3週間の休暇を取って日本に滞在していたこと。さすが北欧。

18歳という若さには「ベりーやんぐ・・・」と驚かされました。

日本ではどこへ行ったの?ノルウェーのこと教えて?など、けっして口数が多くはないミスター・コーラから様々な話を聞き出し、彼からは、私が復習していたロシア語について聞かれたりして、楽しい時間を過ごしました。

けっきょく、「あんた、どんだけコーラ好きなんだよ!糖尿には気をつけろ!」とは言えずじまい。

 

機内食を食べたミスター・コーラは眠ってしまい、話し相手がいなくなったので映画を見ました。

寄生獣 完結編」です。

amzn.to

寝落ちしました。私は山崎貴監督と相性が悪いみたいです・・・

原作コミック「寄生獣」の大ファンだから、物足りなく感じてしまうのかもしれません。前編と後編で4時間分あるとはいえ、だいぶカットせざるを得ないですものね。

ピックアップするセンスが監督と合わないんでしょう。

コミックは名作です。ぜひ読んでみて下さい。

amzn.to

機内食はビーフORフィッシュでした。チキンではなく。

ビーフを選んだらハンバーグでした。お蕎麦と抹茶プリンも付いて、ほんのり和風。

美味しかったです。

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 もう1回、機内食が出たのですが、その時はお腹が空いていたので写真を撮るのも忘れてむさぼり食いました。食べ終わってから「あっ」と思う失敗を、旅行中何度も繰り返すのでした。

 

ヘルシンキに到着すると、飛行機が2時間遅れたせいでノルウェーへの乗り継ぎ便がギリギリになってしまったミスター・コーラは、駆け足で去って行きます。

さわやかな笑顔で手を振ってくれました。

それはいいから、急ぎなさいな。

 

 入国審査は前回来た時よりも厳しくなっていました。近年の世界情勢を反映してのことですね。

「どこの国へ行く予定なのか?」「何日間滞在するのか?」「ロシアへの移動手段は?」と、次々と聞かれます。

この前は、質問なしでパスポートにスタンプを押すだけだったのに。これでもまだ緩い方なんでしょうね・・・

入国ゲートを通ってロビーに出ると、新しくきれいになっていました。

空港の拡張工事をしたことは知っていましたが、かなり様変わりしています。

着いたよーとLINEを送り、ゲートを出てすぐの左の場所にあるキオスクの前で待つことしばし。バックパックを背負った連れが現れました。

思えば2月に会ったきりで、顔を合わせるのは10ヶ月ぶりです。無事に現地集合できた安心感もあり、がっつりハグを交わしました。

「やっと会えたね」という言葉を飲みこんだ自分を褒めてあげたい。

 

空港からヘルシンキ市内へは、フィンエアーシティバスで向かいます。

だいたい20分間隔で運行していて、空港からヘルシンキ中央駅まで30分くらいです。

運行スケジュール、バス停の場所、料金はこちらのページに詳しく書かれています。(英語サイトです)

http://www.finnair.com/go/2016.4-47/documents/PDFs/FINNAIRAIKATAULU_1115_WEB.pdf

他にも列車とか市バスとか、交通手段の選択肢はありますので、旅のスタイルに合わせてご利用下さい。

こちらをご参照下さい。(英語サイトです)

Train, buses and taxis / Finavia

大きなスーツケースを持っている場合には、荷物置き場のあるフィンエアーシティバスが便利かもしれません。

 

とうとう次回から、本格的な旅が始まります。