湖水地方で嵐に遭遇、アンブルサイドで一回休み

イギリスに来て初めてのゆっくりした朝。

共用キッチンで朝ご飯を食べていたら、もう帰るんだけど荷物になるからと言って家族連れのお母さんが洋ナシの6個パックをくれました。

荷物になるのは同じなんだよなーと思いつつ、もったいない精神を発揮してありがたくいただいたが、後ですごく役立ったのです。

情けは人のためならずってこのこと?うーん、ちょっと違うか。

チェックアウトぎりぎりまでホテルにいて、バスでアンブルサイドに向かいます。ホテルのフロントにはバスの時刻表が貼ってあるのが便利。

早起きの母は先に街へ出ており、バーゲンセールになっていた6ポンド(900円弱)のカットソーを買ってホクホク。エレガントな感じのベージュのトップスで、70%オフだったそう。

昨日キャッスルリッグ・ストーン・サークルへの道を教えてくれたお兄さんにお礼を言いたかったけど、チェックアウト時にフロントにいたのはキュートなお姉さんでした。

「Everything is O.K.(問題なかった)?」

と聞かれたので「Perfect(完璧だったよ)!」と答えると、ニコッと笑ってくれました。

バスは10時半にケズィックを出発、ホテル最寄りのバス停アンブルサイドWaterheadには10時50分くらいに着きました。

途中から乗ってきた、ドイツからトレッキングに来たという女性との会話に夢中になって、乗り越しそうになったけど、運転手さんが声をかけてくれてセーフ。乗る時に「アンブルサイドWaterheadに止まる?」と聞いたのを覚えていてくれたみたい、ちょっと強面だけどナイスガイだったぜ。

ドイツ人女性は日本に来たことがあって、日本の文化が好きなのだそう。日本語を少し勉強したけど、難しいよねとのこと。私もドイツにいつか行きたくて、ドイツ語を勉強してるけど難しいね、文法が全然違うから、お互いの言語を習得しようとしたら苦労するよね、などと話しました。

ホテルはバス停の目の前だったけど、雨がとにかくすごくて、ほぼ嵐といったふう。

チェックインできる時間まで荷物をあずけて散策しようという計画は、諦めるしかありませんでした。

短い移動でもずぶ濡れになってしまったので、ロビーで休憩してから、お昼になったらホテル内のレストランでのんびりご飯を食べて待ってました。

母も姪っ子もぐったり。相変わらず1人だけ元気な私は、ホテルのすぐ隣にある小さなお土産屋さんに行きました。

ちょうどそこには日本人女性2人連れのお客さんがいて、目が合ったら話しかけようと思ってたけど、私がそこにいないかのように振る舞っていたので、面倒くさくなってやめました。こういうこと、時々あるんですよねー。どんな気持ちでスルーしてるのか、ちょっと分からない。むやみにまとわりついたりしないのにな・・・

品ぞろえはとてもラブリーなのに、店主は渋い顔のおじさんだった。「Hello」と挨拶したら、苦み走った低音の「Hi」が返ってきました。

ハートモチーフのカラーストーンとビーズを使った可愛らしいブレスレットを、友達用に購入。会計時におじさんと天気の話をした。やはり世間話に天気の話は鉄板ですな。

ひどい雨だが、こんなのは珍しいよ、あんたも運が悪いなと言われたので、明日は今日よりましになるかな?と聞くと、多分ね、そう願うよと答えるだけでなく、この辺りの地理と気候の関係について、いろいろ教えてくれた。けっこうおしゃべりさんだったらしい。

ホテルに戻って昼食。疲れ切った母&姪っ子は食欲がなく、本日のスープだけ注文していた。日替わりスープとパンが付いている軽食で、これが大当たりですごくおいしかったそう。私はナチョスを頼み、これも美味しかったけど、量が多くて食べきれなかったです。

持ってきてくれたウェイターさんも、「Is it too much(多いかな)?」と聞いてきた。

そう思うならば、減らしてみてはいかがかな?とも思ったが、おそらくこれは数人で食べるものだね。とはいえ、3人でシェアしてもやっぱり多かった。

ところで、件のウェイターさんがものすごくイケメンでした。

ハリウッド俳優、ヘンリー・カヴィルさんに似てました。下記画像をご参照下さい。

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ご存知ない方は、

「コードネームU.N.C.L.E.」のナポレオン・ソロ

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「マン・オブ・スティール」のクラーク・ケント/スーパーマン

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バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」のクラーク・ケント/スーパーマン

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をご覧下さい。

映画として面白いのは「コードネームU.N.C.L.E.」ですが、ヘンリー・カヴィルさんの肉体美を味わうならば、スーパーマンシリーズをお勧めします。

ちなみに私は「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」でバッドマンを演じている、目が死んでいることでお馴染み、チベットスナギツネことベン・アフレックのファンです。

ベン・アフレック

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チベットスナギツネ

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余談ですが、海外でもベン・アフレックの死んだ目は人気があるらしく、「sad affleck(悲しげなアフレック)」で検索すると、山ほど画像が出てきます。雑コラも多し。

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でも才能あるし、かっこいいと思うんですよー。監督&主演作の「アルゴ」でアカデミー作品賞取ってるし!

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ちょっとヌボーッとした長い顔&192センチの長身&広すぎる肩幅&ごついボディと、好みの要素がそろいすぎているのです。

イチ押しベン・アフレック。肩幅がただことではない。

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ワンちゃんを散歩させるだけで殺気を放つ男。シブい。

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最新作の「ザ・コンサルタント」最高でした・・・DVDが出たら必ず買います。

映画『ザ・コンサルタント』オフィシャルサイト

さてウェイターのヘンリー(仮)は、笑顔がさわやかで、白いシャツが似合ってて、第3ボタンまで開けた胸元から胸毛ワッサー&腕毛ワッサーでした。

これがセクシーってやつなのだろうか・・・

ますます嵐はひどくなるばかりで、部屋に入ってからもやることがない。母はうたた寝をし、姪っ子は宿題をやってました。フリーWifiが使えるので、私はネットしながらウダウダ。

寝転がっているだけでもお腹がすくのは不思議ですね。夕食もホテルのレストランでフィッシュ&チップスとチョコレートブラウニーを食べました。どちらも美味しいし、量もちょうどいい。

ただものすごく来るのが遅くて、30分は待っていたと思います。しびれを切らしてウェイターくんに「Our order hasn't come yet. (注文がまだ来ていません) Could you check our order(確認してもらえますか)?」と頼むと、5分ほどして料理が届きました。忘れられてたのだろうか・・・言わなきゃ来なかったのかも。

コメディ映画に出てくる、おまぬけキャラのようなウェイターくんだったなー。いつもアワアワしてて、お皿を落としてるのを見たよ。

しかもこれ、フィッシュ&チップスの時と、チョコレートブラウニーの時と2回やりましたからね・・・

つくづくイギリスは、あるいは乱暴な言い方かもしれないけど外国は、主張しなければ希望の通りづらい社会なのだと思う。時々疲れるし、先回りして察してくれる日本にいる方が楽だけど、フリーランスとしての仕事の展開や、将来について考えると、どっちが合っているのかを、いずれ選ぶ日が来るんだろう。

ただ、互いに違うということが当たり前で、交渉や歩み寄り、時には妥協をするために意見を言うことが前提になっている社会は、暗黙の了解が張りめぐらされた社会よりも、私にとっては納得がいくみたい。

フィッシュ&チップスは写真を撮るのを忘れていたので、ブラウニーだけ。

シャレオツにしよるで。

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飲み物はバーカウンターに行って注文するシステムでした。カウンターには件のイケメンウェイター、ヘンリー(仮)がいた。キラキラ笑顔がまぶしいぜ!カウンターのオレンジ色の照明を受けて腕毛が輝いてるぜ!

お水はペットボトルで売っていて「Can I have a bottled water(ペットボトルの水をもらえますか)?」と言うと出してくれます。「グラスは何個いる?」と聞いてくれるので、必要な数を言いましょう。

ホールにバンドがやって来て、ちょっと懐かしい感じのムーディな曲を演奏していました。湖側の窓はサンルームのようにガラス張りになっていて、窓の外では、ようやく嵐が治まり、暗く静かな湖面が揺らめいているのが見えました。

こんな穏やかな夜を旅先で持てるのは幸運だ。

夜になって湖に出てみた。風がとても冷たかった。ベンチに座って湖をずっと見つめている女の人がいた。彼女がゴーストだったとしても、きっと驚かない。

翌日は長距離バスのNational Expressでランカスターまで行く予定。長距離バスが来るアンブルサイドのバス停までは、ホテルからローカルバスで行く必要があり、フロントで時刻表を聞きました。すると明日は日曜日だから、間に合うような時間帯にバスがないのだという・・・

日本でも平日ダイヤと土日ダイヤが違うのは同じですが、イギリスでは日曜日は極端に本数が少なくなります。

じゃあタクシーで行くからと呼んでもらおうとしたら、なんとそれも時間が早すぎるから来てくれるタクシーがないと言われてしまいました。タクシー会社との電話もなかなかつながらなかった、みんなちゃんと週末に休みを取るみたい。ということは、歩くしかないのね?

フロントのおじ様曰く、バス停までは徒歩20分くらい、道は平たん(flat)だから、そんなに大変じゃないと思うよ、とのこと。

まあ仕方ない、今日はゆっくり休んだからと母と姪っ子を説得し、明日に備えて今夜もさっさと就寝です。

宿泊したアンブルサイドYHAのURLです。アンブルサイドの中心地から少し離れていますが、とにかく食事がおいしく、スタッフも親切で、湖からの眺めが素晴らしかったです。今でもイケメンウェイターヘンリー(仮)がいるかどうかは不明。

YHA アンブルサイド (イギリス アンブルサイド) - Booking.com

朝になって撮った写真を貼っておきますね。

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ホテルの外観です。後ろ姿は母。

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次回は、バス→列車→タクシーと各種交通手段を駆使した長距離移動です。

母の希望で『嵐が丘』『ジェーン・エア』の著者であるブロンテ姉妹にゆかりがあり、ブロンテミュージアムがあるハワースへ向かいます。

www.bronte.org.ukツアーに組み込まれているのをほとんど見たことがないので、個人旅行で行きたいなと考えている方の参考になれば幸いです。

では。

ロシアのビザ取得について情報更新~2017年3月時点

ブログのアクセス傾向を見ていると、ロシアのビザについて調べている方が多く閲覧に来ているようなので、2017年3月時点で分かっている情報をお届けします。

2016年4月に書いた記事の中で、ロシアビザ取得の方法を詳しく説明しました。

mikawayaemi.hatenablog.com

その中で「無職旅」というブログで紹介されている、簡単にビザを取得できる方法について触れました。

ざっくり説明すると、ビザ取得のために必要な書類のバウチャー(ロシアの旅行代理店が発行する、旅程証明書のようなもの)を、本来は実際に宿泊するホテルや、利用する交通機関の証明を受けて発行してもらわなければならないところ、簡単に発行してくれるWebサービスがあるんですね。

下記のサイトです。

tourist invitation letter to Russia

氏名・住所・パスポート番号など、必要事項を入力して、クレジットカードで料金を支払えば、あっという間にPDFで作成されたバウチャーをメールで送ってくれるというのです。シングルビザなら1700円弱、ダブルビザなら1900円弱です(2017年3月時点)。

ブログ主さんも、その書類を使ってビザを取得し、無事にロシア旅行できたそうです。

ロシアビザの申請(東京のロシア大使館で個人申請した体験談) - 無職旅2

ただしブログ内に「法的に問題はないという認識で記事を書いたが、もし問題があったら指摘してほしい」という注意書きを付けていました。

私もその点は気になっていました。

それが最近になって、ロシア事情に詳しい方から情報を得ることが出来たので、お知らせいたします。

ツイッターでフォローしている、Jun / Джюн (@hitononaka)さんという方が、ASK.fm というユーザーが質問と回答を共有できるサイトで、ロシアビザ取得について回答されていました。

ask.fm

ask.fm

Junさんに許可をいただきましたので、下記に回答の全文を引用いたします。

「ネット上で空バウチャー(厳密には違法行為)を30ドル程度で購入するとPDFで届くので、それを使用しビザを取得するのは可能です。しかし宿泊ホテルが登録されているので、そのホテル名と異なる場所に宿泊している事が当局に発覚したら、違法行為とみなされる可能性があります。一泊・二泊程度の列車旅ならともかく、一週間はリスクが高いので私でもやろうとは思いません。」

やはり空バウチャー(正式に発行されたものではないバウチャー)は、違法行為にあたるようです。

ただネット経由で空バウチャーを作成できる上記のサイトでは、宿泊するホテルを入力する段階で、宿泊地(モスクワなど都市名)とホテル名を選択できる欄があるんですね。

選択できるホテルの数は少ないですが、もし自分の泊まるホテルがその中にあったとしたら、書類上は間違いのないバウチャーが出来上がることになります。

Junさんが述べられているように、短期間であれば問題は起きないかもしれませんが、国際情勢が安定を欠いている現状では、危ない橋を渡る行為だと言わざるをえないでしょう。

前回のロシア旅行では、私自身は業者に依頼してビザを取ってもらいました。

上記の方法を用いて簡単かつ安価でビザを取れるのは、あくまで直接ロシア大使館(または領事館)に足を運べる人だけで、ビザ申請は郵送を受け付けていないため、東京・大阪・札幌・函館・新潟のいずれかの領事部に直接持参しなければならず、交通費を考えると業者に頼んだ方が安く済んだんですよね。

ビザ取得代行は、業者ごとに料金の幅はありますが、だいたい5000~1万円くらいでやってくれます。

あまり安く代行してくれる業者は、空バウチャーでビザを取得しているのではと疑念は抱いてしまいますが・・・ビザ発行自体は、申請から2週間後の受け取りであれば無料ですので大丈夫かなと思いますけれど、不安な場合は問い合わせた方がいいと思います。

異国でトラブルが起きた場合、大変な目に遭うのは自分なんですから。

法を破ったものがロシアでどんな制裁を受けるのか、身を持って体験する必要はないですよ。安全にかけるコストを値切るのは止めて、正規の方法でのビザ取得をお勧めします。

現実では、ジェイソン・ステイサムも、リーアム・ニーソンも、デンゼル・ワシントンも、マット・デイモンも、ブルース・ウィリスも、トム・クルーズも、ダニエル・クレイグも、シルヴェスター・スタローンも、ドルフ・ラングレンも、ジェット・リーも、ヴェズリー・スナイプスも、スティーヴン・セガールも、ジャン・クロード・ヴァンダムも、助けに来てくれないしなー。

(マーベルとDCのヒーローは数が多くなるので割愛しております)

ジャッキー・チェンはもう体ボロボロだから無理させたくないし、ヴィン・ディーゼルはゲームばっかりやってるし、ブラッド・ピットは離婚したばっかりだからそっとしておいてあげたいし、アーノルド・シュワルツネッガーは政治で忙しいしな・・・

ともあれ、よい旅を!

追記:キアヌ・リーブスを忘れてた・・・

公共交通機関のみで行ける湖水地方ケズィックへの道のり~ストーンサークル探索案内付き

テンションが常時高めの旅先とはいえ5時起きは眠い・・・

高緯度に位置するイギリスは、夏は日が長く、薄曇りながらもう外は明るくなっています。

急いで朝食を詰め込んで、ホテルのフロントへ下りていきます。

前日、明日は早朝にチェックアウトしてエジンバラ駅に行きたいとフロントのお兄さんに相談したところ、タクシーを勧められていたのです。たいていは10分くらいで来るし、朝早くても大丈夫とのことでした。

このホテルは内装が素敵なだけでなく、フロントにタクシーを呼ぶための専用ボタンが設置されており、押すだけでホテルまでタクシーが迎えに来てくれるのです。いちいち電話をかけて呼ばずにすむのはとても楽です。およそ5分くらいで来てくれました。

黒塗りの立派な車で、BBCシャーロックでシャーロックとワトソンがよく乗っていたものに似ていました。エジンバラ駅まで約15分、料金は6.8ポンドで1000円弱でした。日本と比較すると安めですね。チップも入れて少し多めに渡しました。

朝のエジンバラ駅からの眺め。オレンジに染まる建物がきれいでした。

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ホームで列車を待っている間、ベンチで隣り合わせたご婦人と「寒いわねー」などと会話を交わし、「このジャケットの下は半袖ですぜ」と脱いで見せて驚かれる。

定刻通りに列車がやって来て、ご婦人に「コーチAはどっちかしら?」と聞かれ、「ホームの奥の先頭のほうですよ」とお伝えする。コーチというのは、日本語でいう号車みたいな感じで、コーチAはA号車ですかね。

旅行者まる出しの東洋人だというのに、あいかわらず質問されがち。

旅先でもよく道を尋ねられるのはなんでだろう?と姪っ子に聞くと、「なんか知ってそうに見えるんだよねー」だそう。ロシアでも、道に迷ってる真っ最中にもかかわらず道を聞かれたっけな・・・

エジンバラを6時52分に出発し、カーライルという街に8時5分に到着。

ここはスコットランドとの国境の町として1600年に及ぶ流血の歴史を持っています。

昔からボーダーシティと呼ばれ、ハドリアヌスの城壁というローマ軍がケルト人の侵入を防ぐために築いた防壁の一部が残っています。

カーライル駅を出るとすぐシタデルという城壁跡もあり、コンパクトに見所がまとまっています。

奥にみえるのがシタデルです。

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今回は乗り継ぎで通り過ぎただけだったので、次は泊まってゆっくり見たいです。

さてリサーチの鬼としては、出発前に移動交通手段については隙間なく調べてきたのですが・・・カーライル⇒ケズィックだけは、よく分からなかったんです。

というのも、個人旅行をされてる方のブログに「バスで行った」と書かれていたため、イギリスでバスといえばこれ、National Expressと、格安バスmegabusで検索したのですが、ケズィックのバス停がある路線を見つけられなかったのです。

どちらも長距離バスですから、今にして思えば当然ですよね・・・

地球の歩き方にもケズィックへのバス路線が掲載されているのだから、バスがないというわけではあるまい。ならばぶっつけ本番で、現地で聞けばいいさとカーライル駅に降り立ったわけです。

ちなみに、ケズィックへダイレクトに行ける鉄道は掲載されていませんでした。実際にケズィックの町では線路を見なかったので、車で行くしか手段がないのだと思います。

後になって調べたところ、Bus Timesというサイトで、地名から路線を検索できました。このサイトはイギリスのバス路線及びバス停を網羅しているようで、ローカル線も見つけられるのが便利です。

Bus Times

カーライル⇔ケズィックのバス554線の時刻表はこちら。

554 - Carlisle - Keswick – Bus Times

なんと1日に4本しかないという。

バス停に辿りついてから撮った写真の時刻表には、73線と73A線もあると書かれていました。

それでも1日に多くて3本。73A線の8時発「NSch」は、月曜から金曜の学校の休日のみ、同じく73A線の8時発「Sat」は土曜日のみの運行です。かなり不便。

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そうとう交通の便が悪いらしいという情報は得ていたので、早朝にエジンバラを出発したのです。おかげで、9時30分発のバスに乗れました。終点のケズィックバス停の到着予定は10時41分。

チケットは現地で購入して13ポンド(約2000円)だったと思います。

で、肝心のカーライル駅からバス停までの行き方です。

おおざっぱに描くとこんな感じ。

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駅を出たところで、左手にバスが止まっているのが見えました。休憩中らしき運転手さんに、

「I would like to go to keswick, so could you tell me which bus I should take?」

(ケズィックに行きたいので、どのバスに乗ればいいか教えてもらえますか?)

と聞きました。

運転手さんは首をひねって(観光バスっぽい豪華めの車体で、現地の方ではなさそうだった)、ローカルバスで行きたいの?と聞いてきたので、うん、と答えると、目の前にある大通りを指差し、「バス停なら、あの通りにたくさんあるよ。詳しくは分からないんだ」と教えてくれました。

なるほど、と思い、直進して「ボッチャー・ゲート」に突き当たったところ、左手を見るとバスがたくさん止まっているじゃありませんか。

下の画像で見ると、車のマークが2つ並んでいる辺りです。

そこでまた止まっているバスの運転手さんに同様の質問をしました。

すると彼は「Turn right, left, and right」と言うではないですか。(なんか翻訳小説調になってきた)

私が指差しながら「Right, left, right, right (右行って、左行って、右、ってこと)?」と聞くと、彼も「Right, left, right, right(右行って、左行って、右、だな」とうなずきます。

あまりに簡単な説明に、ほんまかいなと思いつつ言われた通り進んだら、ちゃんと着きました!

右行って、左行って、

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右行ったら、左手にバス停。

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さほど迷うことなくサクサクたどり着けたので、途中にあったパン屋でおやつを買い、バス停近くにある観光案内所でお手洗いも済ませました。(使用料30ペンスかかります)

バスはなんと2階建て。有名なダブルデッカーのように赤い車体ではないですが、かなり高い位置から通りを見渡せるのが楽しいです。

出発を待ちつつ通りを眺めていたら、謎の生き物を発見。

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お気づきいただけただろうか・・・

ピカチュウ、ゲットだぜ!

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OTAKUに国境はないんだなー、OTAKUは世界をつなぐ架け橋ね。

そしてここで、イギリスのバスの荒っぽい運転の洗礼を初めて受けるわけです・・・

すごいですよ、椅子の上で体がバウンドします。街路樹と窓ガラスが接触する音が、バサバサというよりボキボキいうし。なぜそんなに?というくらい飛ばしまくり。

ポリスアカデミー2」でスウィートチャックが言ってた「ここはル・マンじゃないぞ!」を思い出しました。

昔のコメディ映画ですが、映像はともかく内容に関しては今見ても古びてないし、とにかく笑えてスカッとできます。シリーズは第7作まであって全部見るのはさすがに大変なので、1と2だけでも騙されたと思って見てください。

私はもう何回見たか覚えてません。次に何が起きるか知ってても笑っちゃうんですもん。スラップスティックコメディのお手本みたいな映画です!

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話を戻して、バスは細い道でもやたらとぶっ飛ばし、停留所で待っている老婦人にスピードをほとんど緩めず寄せていくから、「おばあちゃん!ひかれるっ!!」とヒヤヒヤしましたよ。

よって、10時41分到着のはずが、10時ちょっと過ぎには着いてました。それでいいのだろうか?タイムテーブルとは?と考えましたが、以降に乗ったバスは、おしなべてそういう傾向だったので、そんなもんなのだと納得しました。

ケズィックのバス停前にはBoothsという大きなスーパーマーケットがあります。お手洗いも、ここでは無料で借りられました。雑誌や雑貨も売っていたり、イートインスペースがあったり、町の中心から少し離れていますが、あるいて10分程度だし、困ったらここに来れば良さそう。

天気はあいにくの小雨。でも傘をさしている人はあまりおらず、フードでしのいでいます。

この通りがメインストリートで、見所もお土産屋さんもほとんどここにそろっています。

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ウィンドウにチョコファウンテンがあるカフェ。ここでお茶しました。店内で使えるフリーWifiが便利でした。

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 旅全体を通してそうでしたが、よほどの田舎や山中でもなければネット環境は充実していて、フリーWifiが使えました。列車やバスの中でもユーザー専用のWifiを提供していることが多いです。わざわざ日本で海外専用のWifi機器を借りていかなくても大丈夫だと思います。

ただ、たまに接続状況が悪い場所もありますので、慎重派はレンタルしていった方がいいかもしれません。

日本人観光客はほとんど見かけなかったです。なぜかと言うと、日本人に人気がある湖水地方の中でも、ケズィックはわりとマイナーらしいです。周囲の景勝地へ出かけるトレッキングの起点になっていることもあり、本格的な装備をしている人たちも多く、観光地ではあるけど、ツアーバス乗りつけて短時間で去って行くタイプの町ではないようです。

そんな町を選んだからには、当然目的がありました。

鉛筆博物館と、キャッスルリッグ・ストーン・サークルです。

鉛筆博物館は、150年以上前から鉛筆を造っているダーウェント・ペンシル社の博物館で、鉛筆の製造過程や珍しい鉛筆、世界一長い鉛筆などが展示されています。ギフトショップもあって、すごく楽しみにしていたのですが・・・なんということでしょう、洪水の被害により博物館は修理改装中で閉鎖されていたのです!

ショックでした・・・再開は2017年の春だそうです。機会があったら、今度こそ行きたいと思います。

Pencil Museum

 オンラインのミュージアムショップは利用できるそうなので、よろしかったらどうぞ。

Official Derwent Online Store | Colouring Pencils - Drawing Pencils

街の雰囲気はレトロな感じで、澄んだ川も流れていて(でもこれが洪水の原因)、のんびりした心地よさがありました。映画館もおしゃれ。

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宿泊したのはYHAケズィックというユースホステル、2段ベッドが2つの4人部屋を3人で使いました。

窓から川が見下ろせてすがすがしい。耳を澄ますとせせらぎも聞こえます。

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部屋に洗面所はありますが、トイレ&シャワーは共同。数が多いので、混雑して困ることはありませんでした。基本的に清潔ですが、シャワーの構造が初めて見るタイプでした。

シャワースペースにカーテン等の仕切りがなく、段差のみで床の水濡れを防いでいました。タオルや着替えはシャワールームのすみっこに置くしかないんですよね。たしかそのために椅子があったような・・・

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町をひと回りした時、The Puzzling Placeという面白そうなミニ博物館を見つけました。

Lake District Attractions Keswick Puzzling Place Things to do

目の錯覚を利用した、だまし絵的空間が体感できて、小さいながらも十分に楽しめました。

ホテルに戻ったのが午後3時ごろ。母と姪っ子は疲れたから休みたいというので、私だけがもう一つの目的、むしろこっちがメインのキャッスルリッグ・ストーン・サークルへ行くことに。

これはミニ版ストーンヘンジという感じで、丘の上に48個の卵型の石が環状に並べられており、3000~4000年前に造られたと言われています。

町からは徒歩40分ほど、バスも通っていますが、ものすごく便数が少ないため歩いたほうが早そうです。

私も歩きました。ほどよく管理された自然の中を歩いてくので、けっこう気持ちいいです。ただお水とチョコレートなどの携行食を持っていくことをお勧めします。

こちらもケズィックまでの交通手段と同じく、日本で手に入れられた情報は「そういうものがあるよ!詳しく分かんないけどね!」というものだけで、現地でどうにかするしかなかったです。

ラッキーなことに、ホテルのフロントのお兄さんが親切にも地図をコピーして詳しく説明してくれたため、スムーズにたどり着くことが出来ました。みなさんに助けられて成立する旅ですなー。

町中を抜けて牧草地に入る頃には、少し雨が上がってきました。

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空気がおいしい。

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苔むしたスレート石の石垣に時の積み重ねを感じます。

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牛もいれば

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羊もいる

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着きました。丘をトコトコ登って小一時間。歩いている人は他に誰もいませんでした。

ものすごく簡易な柵がありますので、自分で外して入ります。拝観料は無料です。

歴史のある遺跡のはずですが、見物人がカジュアルに中に入っているのが驚き。

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お兄さんなんか触ってるし。

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全体を俯瞰で見られる配置図がありました。どんな目的で建てられたのかしら。

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説明版もあります。要約すると、結局のところ何のために建てられ、どう使われていたのか、未だによく分かっていないそうです。

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せっかくなので、人がいなくなるのを待って写真を撮りました。

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実はこのストーンサークルは牧草地の中にあります。仕切りもなくて、遺跡の横で羊が草を食んでる。

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羊も近い。可愛い。

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じっくりしっかり堪能できました。でもまた行きたいです。後に本家のストーンヘンジにも訪れたのですが、こちらも暖かみがあって好きです。

周囲の風景に馴染んでいるだけあって、数百年も、もしかしたら数千年もこの景色は変わっていなくて、きっと私が死んでからも同じようにここにあるんだろうと思わせられます。

そう思うと、どうしてかとても心が穏やかになるのです。

帰りは、行きとは違う道を通りました。ホテルのお兄さんが、最短距離の道と、歩くのが楽な道の2つの行き方を教えてくれたので、往路に坂を上って疲れたから、復路は楽な方を選びました。

牧草地を抜けてから、広い道路を通ってホテルに戻りました。道は平たんだから歩くには楽だったけど、そのぶん距離は長くなりましたね。

おおざっぱな地図です。YHA Keswickがホテルです。青い丸で示したルートが往路で、矢印で示したのが復路です。

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やっぱり歩いているのは私一人でした。ビュンビュン車が走る横を、ゆったり歩くのはいい気分です。足は疲れたけど、いい経験でした。

ホテルに戻ったら午後6時くらいになっていました。少し回復した姪っ子を連れてキオスクで夕飯&翌日の朝食の買い物。ホテルには共同のキッチンがあり、冷蔵庫を使えるのが助かります。

海外ではよく見るけど、日本ではあまり見ないオイル漬けのオリーブ&チーズを買いました。大好物なので、日本でも買える店があったら教えてもらえると嬉しいです。

アクティブな移動&観光の1日だったから、早めに寝ることにしました。

明日は湖水地方でも人気の高い町、アンブルサイドへ向かいます。

ここまでガンガン長距離を移動してきたので小休止、の予定が、思いがけぬ悪天候に見舞われボーっとするしかない、ある意味贅沢な時間を過ごしました。

詳しくは次回。

では。

 

ぶらりエジンバラ満喫中~動物園はいいぞ!

エジンバラ2日目の朝は薄曇り。

昨日買っておいたマフィンでモソモソと朝食を済ませ、さっさとチェックアウトしました。

フロントスタッフは昨日揉めた野郎ではなく、可愛いお姉さんだった。あなたに罪はない・・・

トラブルにより(※前回の記事参照)新たに予約したホテルへと向かいます。1駅だから歩けると主張したけど、母と姪っ子の反対を受け、まずはエジンバラ駅へ。

わりと大きな駅なので、ホームが20くらいあってどこから乗ればいいのかさっぱりわからない。切符の窓口の方と、車掌さんらしき人に聞いて、なんとかたどり着きました。

ちなみに駅のトイレは有料です。30ペンス(約45円)が平均らしい、場所によってちょっと高かったり、安かったりします。初めての時は戸惑いました・・・お釣りは出ませんし、5ペンス硬貨2枚で10ペンスという使い方も出来ないのでご注意ください。10ペンス×3枚か、10ペンスと20ペンスのみです。

乗車3分ほど、隣の駅のHaymarketで下車。エジンバラの喧騒とは一線を画すのどかさです。

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駅からは5分少々歩きます。急遽泊まることにしたホテルだから、下調べしておらず途中で分からなくなりました。

どうすべーと思っていると、折よくお店のシャッターを上げている2人のおじさまに遭遇。

「Excuse me, sir?」

と声をかけると、おっ、なんだなんだ?てな感じで気さくに微笑みながら

「Sure, can I help you(いいとも、どうしたんだい)?」と答えてれました。

「I would like to go to Stay City Apartment Hotels, could you tell me the way to there(ステイシティアパートメントホテルに行きたいのですが、道を教えていただけますか)?」

おじさま達、おー、そこなら知ってるぜ的なテンションの上がり方を見せ、熱心に説明をしてくれたのですが・・・速い!だけならともかく超なまってて聞き取れない!

でもすごく親切に教えてくれてるから「分からないので、いいです」とは言い出せない。うーん。

するとハンチングをかぶったおじさんが、脇道の奥の方を指差して「Yellow Flag」と言ったような気がしました。そちらに目をやると、確かに黄色い旗が揺れているのが小さく見えました。

「That yellow flag indicates the hotel(あの黄色い旗のあるところがホテル)?」

おじさまたちは「イエース!イエース!」と嬉しそう。やったぜ。

ありがとうございます!と笑顔で別れ、今日はちゃんとホテル取れてるかしらとドキドキしつつフロントへ。ちょっと厳つい風貌のお兄さんでした。

予約をしている旨を告げると、3人で1泊の予約の人たちだね、という朗らかな返事が。昨日から続いていた緊張が、ようやくほどけました。

まだ時間が早くて部屋の準備ができてないんだよね、と彼は言います。そりゃそうでしょう、朝の10時くらいだもの。

そこで「Could you keep our luggage(荷物を預かってもらえますか)?」とお願いすると、コインロッカーを勧められ、専用のコインを渡してくれました。

私たちの荷物を見て「それならロッカー1個で大丈夫だよ」と言ったけど、テトリスみたいに凹凸考えて押し込まないと入りませんでしたよ!?なぜ彼は大丈夫と言ったのかしら・・・と困惑しきりの我々。

おおざっぱ、フロント兄さん、おおざっぱ(字余り、季語なし)

どうにか荷物を収め、フロントへ戻ってチェックインできる時間の説明など聞いた後、お兄さんが「Do you have any plan for lunch(ランチをどうするか決めてるかい)?」と尋ねてきました。

「I don't have any plan yet(まだ何も決めてないの)」と答えると、それならばと地図を出してきて、いろいろ書き込みながらお勧めのレストランを教えてくれました。

いいやつ・・・美味しいご飯を教えてくれる人に悪い人はいないよ!

実際にお兄さんが書き込んだ地図。ホテルからの行き方も書いてくれてるの、優しい。

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いくつもお勧めしてくれましたが、ローカルフードを楽しみたいなら、GRASS MARKETという、地図の中央辺りにあるEdinburgh Castle(エジンバラ城)よりやや右下にある緑色の丸36番、49番、50番と、赤色の丸8番で囲まれた通りには、いろんなレストランがあるよ、と教えてくれました。

あらー、素敵じゃない!エジンバラ城を見てから、旧市街を散策してお腹を空かせて、レストランへ行きましょうよ!とキャッキャする我々を、「Enjoy(楽しんで)!」と送り出してくれるお兄さん。嫁に行きたい。

地図を見ながら歩くこと10分少々。街を行く人々は、仕事中らしき携帯で話しながら歩くビジネスマン、スケボーに乗った少年、学生ぽいリュックを背負ったお嬢さん、犬を散歩中のおじさんなど、ごく普通に暮らす顔を見せてくれます。

ホテルの近所にあった可愛いお店。ぶらぶら散歩するだけでも楽しい。

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旅に出ると、どんな場所でもそこで当たり前に生活している人を見るのが好きです。

また、ちょっとした習慣の違いも面白いですね。

例えばイギリスでは、歩行者信号はボタンを押さないと変わりませんでした。日本だと一定の時間ごとに変わるところが多いですが、ただ待ってるだけでは青にならないんですよねー。

最初はボーっと立ってましたが、横から手が伸びてきてボタンを押されるのを見て気づきました。何事にも意思表示が必要なのが、とても「らしい」と思いました。

さてエジンバラ城に到着。

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写真の奥にカーブしていく道は、長ーい坂になっています。歩いて上っている人は他にいなかったですね、観光バスにブンブン追い越されます。

坂を上りきる辺りに「Edinburgh Castle」という看板が掲示されている狭い階段があり、それを上ると左手すぐにお城があります。

今回は「城の中を見学するために歩き回るのは疲れる」「それほど城に興味はない」という意見により、外観を見るだけとしました。

でも旅の後半で見たカーディフ城がとても面白かったので、次回は歴史をもう少し勉強してから見学してみたいと思います。

チケット売り場がお城の入口より手前にありますが、そこをスルーしても城前広場まで入れます。

広場では催し物があるらしく、スタッフジャンバーをきた人たちが設営をしていました。

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「ほうほう」「へー」と覗き込む母と姪っ子。

気がすんだそうなので、お城を後にして昨日も見たタータン・ウィービング・ミル&エキシビションへ。

初めて来た姪っ子は、自分用のマフラーを買いたいと本腰を入れて吟味の態勢に入りました。私は展示をゆっくり見つつ、昨日靴屋のお兄さんが教えてくれたチェックのバレエシューズを探します。

工房の展示は前回の記事でお伝えしてますので、今回はそれ以外の写真など。

館内にはスコットランドの歴史にちなんだ展示もちらほら見られます。

特に甲冑や剣が数多く飾られていました。お好きな方にはたまらないかと思いますので、貼っておきます。

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鎖帷子にはちょっと興奮した。

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中でもお気に入りのドリンクホルダー。置いてある間に飲まれて減っちゃいそう。

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母はストールを、姪っ子はマフラーを、私は無事に自分サイズの靴をゲット。

ここで、お買い物の時に気を付けたいことを一つ。

こちらのお店はスコットランドの文化を守ることを大事にしているため、購入時に専用のショップバッグを50ペンス(約70円)で買う必要があります。寄付的な意味合いですね。

「自分のバッグに入れるから袋は要らない」は通用しない、というかゴリ押しすれば通るのかもしれませんが、そもそもかなりお安くタータンチェック製品を販売しているところですし、とても無礼な行為なのでお勧めできません。

お買い物を済ませたら、フロントのお兄さんに聞いたナイスなカフェのあるストリート「GRASS MARKET」に向かいがてら、旧市街を散策。

オーガニックカフェでケーキを食べ、シャレオツなボトルに入った水を飲みました。味はまあ、オーガニックだよね・・・という感じ。

カフェを出たところで、滑空するカモメに襲われるハプニングに見舞われました。

エジンバラにはハトなみにカモメがいて、カラスばりに攻撃的です。

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慌てる我々を眺めていたおじさんに、「おいおい、なんてこったい!」という表情を作って、肩をすくめてみせたら大ウケしてました。

海外の映画でよく見られる、困ったもんだねーという気持ちを表す例のやつです。滞在中、めちゃくちゃ多用しました。

スーパーのレジが故障してた時、混みあってるのに空調が効いていないメトロで乗り合わせた乗客とのアイコンタクト、お釣りを渡しそこねたお土産屋さんで。

目は大きく開けて口はへの字、肩をすくめれば、たいてい相手も似たようなアクションを返してくれて、雰囲気が和みます。状況によっては爆笑を生み出すことも。

英語を使わずともコミュニケーションできるのがポイントです。

お腹を満たした後は、エジンバラ動物園へ向かいます。Haymarket駅からバスに乗って10分くらい。20番、21番、26番のバスに乗ればいいよと、あらかじめフロントのお兄さんに教えてもらっていたのです。ありがたや・・・

エジンバラ動物園はコアラがいて、ペンギンウォークがあったり、ガイドツアーもあって、じっくり腰を据えて1日いても楽しめそう。

Edinburgh Zoo

チケットは大人がオンライン前売りが17ポンド(3日以上前)または18.5ポンド(2日前)、当日券は19ポンド。

子どもはオンライン前売りが12.5ポンド(3日以上前)または14ポンド(2日前)、当日券は14.55ポンド。

3歳未満は無料です。

ただし、上記は寄付金込みの代金のため、寄付金なしの場合の代金は、オンライン前売りが14.5ポンド(3日以上前)または16ポンド(2日前)、当日券は16.5ポンドとなります。

総じて動物園の入園料は高め、美術館・博物館は無料か安めの傾向があります。

動物の写真を撮りまくったので、いくつかを。

ミーアキャット、決め顔。

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その直後、わらわらやって来た。

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悟りを開いたワオキツネザル

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姪っ子が怯えたオラウータンの石像。かなりデカい。

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コアラと目が合った、案外と鋭い眼差し。

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動物園の一角に、二重の扉で区切られたコーナーがあり、中に入ると檻も柵もないゾーンになっています。写真では分かりにくいけど、芝生にはくつろぐワラビーがいます。注意書きは「通路から芝生に立ち入らないでね、噛まれちゃうよ」という小さなものだけ。

日本ではなかなか見られないやり方で、かなりカルチャーショックを受けました。何かトラブルが起きた時に、責任を誰がどう取るのかという難しい問題をどうクリアしたのか知りたいと思いました。想定していないはずはないから、来園者を信頼して、万が一事故が起きたら対処するという覚悟の上でこの方法を取っているのだろうと思います。

姪っ子も驚いており、「自由と信頼と責任」がベースにある社会なんだねと話しながら、ワラビーたちを眺めました。

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夕方までのんびり過ごして、またバスで駅へ戻ってホテルにチェックイン。

足が痛くてもう歩きたくないと訴える母には、お馴染みのスーパーTESCOでご飯を買い、私と姪っ子は夕食のためお出かけ。フロントでもらったパンフレットに載っていた和食レストラン「wagamama」へ行きました。姪っ子が、そろそろ日本食が食べたい・・・と主張したので。

母と姪っ子はわりとイギリス飯にやられてましたね、私は胃腸が丈夫な子なので、かなりのレベル(しかしイギリスは時にこれを越えてくる)まで大丈夫でした。

私は野菜ラーメン、姪っ子は照り焼き丼を注文。

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味はといえば、「日本のラーメンとはちょっと違うな」→「これはこれであり」→「いや・・・なしか?」→「まずくはないけど、不思議な後味」以上です。

味覚は慣れがかなり支配している気がするので、一概に日本のラーメンと違うから駄目とは言い難い。照り焼き丼は普通だけど量が多かったそうです。

あと、レストランによってはテーブルごとに担当者が決まっていることがあり、違うテーブルの担当者に声をかけても対応してもらえないことがあります。スルーされても、めげずに担当者を待ちましょう。

レストランを出ると、もう外は暗くなっていました。基本的には治安は悪くないけれど、夜になると空気が変わる気がします。物乞いの男性に声をかけられて断ったら「ファック」て言われたし。

1人ならともかく、姪っ子を連れているから少し怖かったです。さらにホテルのルームキーをどこかで落としてしまい、新たなカードキーを発行してもらうというアクシデントも。

 鍵タイプのものは紛失すると大変ですが、カードキーはスペアが作りやすいため、意外と簡単に新しいルームキーをもらえます。追加料金もかかりませんでした。

とはいえ落とすのはよくないですから、気を付けましょう・・・

1日みっちり観光して、ややお疲れモード。とはいえエジンバラはまだまだ見所がたくさんある街です。また来よう・・・そしてまたここに泊まるんだ・・・と満ち足りた気持ちで就寝。翌朝は6時52分発の列車に乗らなければいけないから、早々と寝ます。

明日は列車とバスを乗り継いで湖水地方の北の玄関口、ケズィックへ向かいます(石丸謙二郎ボイス)

では。

バトルinエジンバラ、からの棚ボタでラッキー

ちゃらっちゃっちゃちゃちゃ~らら~ちゃ~ら~(『世界の車窓から』より)

この部分しかメロディを知らないから、5分もループすればさすがに飽きる。

ロンドン、キング・クロスを出発した列車は、エジンバラへと向かっています。BGMとともに、石丸謙二郎の「次は、ダーリントン駅に止まります」というナレーションがかかります。あの人、実は意外とマッチョでSASUKEにも出てたのよね・・・

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ダーリントンの町にはさー、ダーリンがいっぱいいそうだっちゃ」

思いついたことを、まったく脳内の検閲を通さずに口にする私に、姪っ子が(この人はもしかしてバカなのだろうか)という、茫漠とした不安にかられた視線を投げかけている気がします。

暇をもてあました神々ならぬ私は、車窓を眺めながらぼんやりと心に移りゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくったりします。

普段は日記を付けないのですが、旅の間だけはいつも記録を付けるのです。数カ月もすれば、案外と細やかなことや、その時の気持ちは薄れてしまうから。

私たちはどんどん流れていく。

グレートブリテン島を北上してきて、海辺の町に着きました。Berwick Upon Tweed、列車に乗らなければ、知ることはなかっただろう場所。

海の色が濃い。遠くに小さく灯台が見える。

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やがて列車はエジンバラ駅に到着しました。なんだか広くて近代的でびっくり。

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エジンバラスコットランドの古都というイメージを持っていたので、もっと古式ゆかしい駅舎なのかと思っていました。

しかし駅を出ると、そこはかとなくヨーロピアン。

写真の下部に見えている三角形の骨組みは駅舎の天井です。

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ちょうどエジンバラ・フェスティバルの真っ最中だったせいか、町はかなり賑やかな雰囲気でした。ホテルが旧市街寄りにあったため、細い急坂な路地をいくつも抜けていきました。裏道好きとしてはたまらないシチュエーションです。

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情緒のある街並みなのですが、ひざの悪い母はかなり難儀しておりました。

さほど迷うこともなくホテルに着いたものの・・・大問題が発生。

なんと2泊分予約したはずが、1泊分しか取れていないというのです!

オーマイガー。

フロントの兄ちゃんいわく、「今日は18日だろ?だから18日チェックインの19日チェックアウトの分しか予約は入ってないよ」とのこと。

この時、あれ?今日って17日じゃなかったっけ?と思ったけど、日付変更線を越えてきたため、ここまで強気に出るからには自分が予約を間違えてしまったのではと思い、いったん引き下がりました。

とりあえず部屋に荷物を置いて、冷静になって考えてみようと思ったのです。

しかし調べてみても、やっぱり今日は17日。ホテル予約サイトのBooking.comでもしっかり2泊分予約が取れているのを確認できました。

これは、あの兄ちゃんが勘違いをしているに違いない。

そう思った私は、気合いも新たに再びフロントに向かいます。

私「あなたはさっき、今日は18日だって言ったけど、今日は17日ですよ。だから17と18日の予約が取れているはず、もう一回調べて下さい」

フ「(パソコンをカチャカチャしてから)いや、君の予約は17日だけだよ。この日しかないんだ」

そう言って、8月17日の予約が印刷された紙を見せてきました。

私「さっきは18日って言ってたじゃん」

フ「そんなこと言ってない」

その紙をじっくり見て、より調べるために持っていこうとしたら、すぐさま奪い返されました。

・・・この野郎。

言った言わないの応酬があり、これではらちが明かないので、Booking.comの予約確認画面を見せて、「ほら見て。17日と18日の予約が取れてるでしょ?あんたが間違えてるだけだって。ちゃんと確認してよ」と訴えました。こっちもだんだん語気が荒くなってきてるよ。

命令形でしゃべっちゃうんだから!「Check the list again!」

フロント周りにいる人々も、怒りをあらわにする日本人が珍しいのか、けっこうジロジロ見ています。

フロントの兄ちゃんは「いくら調べても予約は1泊分だけだよ、Sorry」と話を打ち切りました。

もうこれ以上、どうする気もないという空気がビンビンに伝わってくる。

このフ〇ッキンスコティッシュめ!などなど、口に出したら国際問題になりそうな罵倒の数々が胸にこみ上げるのを押さえつつ、「んなこと言ったってどうしろって言うんだよ、この使えねー〇〇〇〇(とても公にはできないダーティーワード、意味が分かる相手に言ったら殴り合いのケンカになる)野郎め」と日本語でつぶやくのみとしました。

内容はしっかり伝わらずとも文句を言ってるのは理解したようで、向こうは少々怯み、横で聞いていたらしき気の良さそうなお客の兄ちゃんはちょっと引いてた。

とにかく、降ってわいた緊急事態に対処しなければなりません。

慌ててネットで付近のホテルの空き状況を調べましたが、なにしろエジンバラ・フェスティバル開催中、リーズナブルなホテルは軒並み満室です。空いてても1泊7万円とか、13万円とかするところばかり。

無理でしょ、これ詰んだ?もうこの中で一番安い7万の部屋に泊まるしかないのか?と血の気が引いた時、1駅離れた場所にあるホテルに空きを見つけました。しかも今泊まっているホテルと値段が一緒だったのです!

オーマイガー。

即行で予約を取り、どうにか翌日の宿を確保できました。とはいえ、実際に次の日にホテルで鍵を渡されるまで、ちゃんと取れてるか不安でしょうがなかったけど・・・

結果的に、別のホテルにして大正解でした!

最初に泊まったホテルは

セーフステイ エディンバラ (イギリス エディンバラ) - Booking.com

エジンバラ駅から近く、観光にも便利です。近くにスーパーTESCOもあり。部屋は2段ベットが2つ置いてある4人部屋を3人で使っていました。

バス・トイレ付なのは助かりますが、その他は最低限の設備だけで、そこそこの値段の割に良くはないという印象でした。もちろん悪くはないです、清潔だし全体的にきちんと整えられています。多分、フロントとの相性の悪さが影響しているのでしょうね・・・

あとは代わりに取ったホテルが、値段が変わらないのに良すぎたせいもあります。

驚くべきことに、部屋にはシステムキッチン(オーブン、冷蔵庫、冷凍庫、調理器具付)、食器洗浄機、アイロン設備があり、トイレ・バスも広い!

トイレに大きなパネルヒーターがあって、洗濯物を乾かすのに役立ったのもよかったです。

インテリアもモダンで素敵だし、姪っ子は「こういう部屋に住むのが夢だったの!」とうっとりしてました。

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ステイシティ アパートホテルズ エディンバラ ウェスト エンド (イギリス エディンバラ) - Booking.com

ここはエジンバラ駅から1駅離れたHaymarketが最寄りです。3分くらい乗ればすぐ付いちゃう、鈍行の駅なのかな?というこじんまりした佇まいでした。

駅の真ん前の通りはこんな感じで、人気もあまりなく静かでした。

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エジンバラ城まで歩いて15分で行けますので、実は便利だと思うのですが、少し中心部から離れるだけでこんなに違うんだなと思いました。

ちなみにフロントの人もすごく親切でした・・・

こういうのは、巡り合わせですもんね。エジンバラにはまた来たいので、次回は最初からステイシティ アパートメントホテルズに泊まります!

それにしても本当に代わりのホテルが見つかってよかった。

私1人だけだったら、雑魚寝の安いホステルにもぐり込んだり、どうしても見つからなければ、ホテルのフロントや朝まで開いてる店で夜を明かすこともできますが、年寄りと子供連れですものね・・・ラッキーでした。

さて、当面のホテル問題が解決したところで、気持ちを切り替えてエジンバラをぶらぶらすることにしました。

なんのかんの揉めているうちに時刻は4時を過ぎていましたが、空はまだ明るい。特に目的のないお散歩に出かけました。姪っ子はホテルに残って夏休みの宿題をやるからとお留守番。頑張ったけど、旅行までに終わらなかったそうです。

町は完全にお祭りモード。人の流れに沿って歩いていたら、ロイヤル・マイルと呼ばれる、エジンバラ城からホリドールハウス宮殿までの道に出ました。

遠くに見えているのが聖ジャイルズ大聖堂です。賑わっております。

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パブ?カフェ?もなかなか盛況。やはり渋い建物&鮮やかなお花の組み合わせは最高。

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「観光地にありがちな名所写真ポストカード」が大好きな母が、さっそくポストカードをディスプレイした店に引き寄せられていました。

同じような店はたくさんあるのですが、どこも1枚ずつのバラ売りではなく、3枚で〇ポンド、とか5枚で〇ポンド、のようにまとめ売りしてました。店によって品ぞろえが微妙に違うのはもちろん、価格も1ポンドで5枚だったり3枚だったりしますので、じっくり吟味してお買い求めください。

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エジンバラ城方面へ坂を上っていくと、母からのリクエスト「タータン・ウィービング・ミル&エキシビション」がお城の手前右側にあります。

スコットランドを発祥の地とするタータンチェックに関して、歴史の展示あり、製造工場の見学あり、ショップありと地下2階から地上2階まであって楽しめます。

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ところどころに羊がいる、かわいい。

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この日はサラリと流し見して、翌日姪っ子も連れてきてがっつりお買い物しました。

来た道を戻り、また店をのぞきながらホテルに帰る途中、ふと入った店でチェック柄バレエシューズに一目惚れ。しかもご記憶でしょうか、8月中旬はバーゲンセールまっただなか。1足19.99ポンド(約3000円)でした。こういう値段の付け方は万国共通なのね。

なかなかお値打ちじゃないですか。まずは試着してみることに。

近くにいたお兄さんに「May I try it on(試着してもいい)?」と聞くと「Sure!」というお答え。

ニコニコしながら横で待機してるわ、プレッシャーが・・・

「How is it(どうだい)?」

「It's a little small, do you have a bigger one(少し小さいです、もっと大きいサイズはありますか)?」

お兄さんはいくつかサイズを出してくれましたが、欲しい色のサイズはなく、色違いのものを買おうかしらと悩んでいると、「ここにはないけど、通りをずっと奥に行くとタータン・ウィービング・ミル&エキシビションっていう大きなショップがあるんだよ、そこならサイズはあるかも。そこで欲しい色を探した方がいいよ」と教えてくれました。

なんていい奴なんだ!その店知ってる、さっき行ったよ!

分かった、行ってみるね、と伝えると、お兄さんはやっぱりニコニコしながら「Good luck!」と言ってくれました。君のとこでは買ってないのに、ナイスガイやわー。

ホテル問題でテンション落ちてたのが、上向きになったよ。ありがとう。

明日もエジンバラに泊まるんだし、今日は疲れたからもう帰ろうという話になりホテルへ。

私はまだ歩き足りないけれど、母はすでに歩くのが辛いという。とはいえ母1人ではホテルまでの道は分からない、けっこう方向音痴なのだ。「似たような建物ばっかりだから」というが、うーん、まあ、ねえ。

どうやら道案内&通訳係の務めは予想していたより重そうだと、この辺りからうすうす思い始めました。

ホテルに戻ると姪っ子は休憩中。窓の外は遅い夕暮れが訪れようとしています。

暗くなる前に、夕ご飯を調達するため近所のTESCOへ行きました。誰も、どこかレストランで食べようとは言い出しません。祭で浮かれまくっている人々に溶け込む元気がなかったのかも。

まあ明日があるさ、旅は始まったばっかりだから。

漏れ聞こえるバカ騒ぎを子守り歌に、エジンバラの夜は更けていくのです。

次回はエジンバラ2日目、これでもかとばかりに満喫です。

では。

 

ロンドン初日~キング・クロスのマクドナルドには熊がいた

広すぎねーか!?キング・クロス!!!!

穏やかに流れゆく車窓の風景に癒されながら、時に地に潜り、時に地上の街並みを眺め、後半はロンドンの地下を走ること小一時間。

たどり着いたキング・クロス駅は驚くほど広かった・・・どこへ行けば地上に出られるのか、まったく分からない。

大都市のターミナル駅を利用したことがある方ならお分かりでしょう、出口が広い範囲に複数あるから、出る場所を間違えると目的地に到達するのにかなり苦労するということを。

なんとなくぼう然と人々の流れを見ていたら、「その辺の人に聞けば?」という母の言。

まあ、そうなんだけどさ。みなさん忙しそうだし、どうすっべかなと観察すること数秒、行く人の流れに一定の方向があるのに気づきました。

とりあえず乗ってみよう、このビッグウェーブに。

「たぶん、こっち」

スタスタ歩き出す私に付いてくる年の差55の2人組。

右に曲がり、左に折れ、階段を上り(今でもどういうルートをたどったのかよく分からない)、目の前に広場が開けました。

くるりと来た道を振り返ると、まさにキング・クロス!

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デカすぎてカメラに収まらなかったので、向かい側の道から撮りました。

そして通りを挟んでそびえ立つ、やたら荘厳な建物!

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教会かと思いきや、現在は駅舎として使われているみたいです。調べたところ、セント・パンクラス・インターナショナルという駅で、ユーロスターの発着駅なのだそう。いつかは使ってみたいものですなー。

パねぇ!ロンドン、パねぇ!と興奮しきりの私を普段ならば窘めるはずの母も、やはり興奮して郵便局のATMの写真を撮れと指示してきます。

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意図は分からない!でもイエス、マム!と浮かれて撮りまくる。

うわー、あの建物かわいくなーい?ほんとだ、ちょーかわいい!

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極端に語彙力が低下しているが、それを咎める者はここにはいない。

ひとしきり騒いだ後はホテル探し、といっても本日宿泊予定のホテルは駅から150m。

日本で印刷してきた地図を片手に、5分と経たずに見つかりました。

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駅を出てすぐ目の前にあるマクドナルドを目印にしていたのとは関係ないでしょうが、ホテルの名前もマクドナルド。トリプルルームの朝食付き、このロケーションで85ポンド≒11500円と破格の安さでした。

バス(シャワーのみ)とトイレが共用で、かなり狭かったのが難ですが、清潔だし、客室数のわりに数があるのか混むこともなく、使いたい時に使えなくて困ることはありませんでした。ちなみにバスとトイレは別々の部屋ですから、誰かがシャワー浴びてるからトイレに入れない、という困り事も起きないです。

ただ本当にバスが狭くて、着替えを置くスペースもないのです。ドアにあるフックにかけておくだけ。部屋を出てすぐの場所にバスがあったのもあり、風呂上がりはタオルを巻いだけで部屋に戻ってました。

気になるのはそこのみで、部屋は広く設備も問題なし、朝食は美味しくて適量(これが海外では貴重!)、フロントの方は親切で感じが良いし、お風呂は浴槽につかりたい派の母でさえ、次もまた泊まりたいというほどでした。

キング・クロス駅が近いだけでなく、ユーストン駅にも徒歩15分ほどで行けるから、どこに行くにも便利です。

すぐ近くにイギリスの激安スーパーとして名高いTESCOがあり、食料品の買い出しもできます。もちろんレストランもたくさんあります。お勧めの宿です。

マクドナルド ホテル (イギリス ロンドン) - Booking.com

長い旅路の果てに、やっとベッドに寝転がれた我々は、備え付けの湯沸かし器で紅茶を入れてホッと一息。

湯沸かし器は内部の電熱線がむき出しで、ちょっと錆びてたけど、なんかもういいよね?沸かしちゃえ!と3人ともすっかり豪快になっています。旅は人を変えるのね。

落ち着いたところで、機内食を詰め込みまくったお腹に空きが出てきたのに気づきました。明日は朝9時の列車に乗り、エジンバラへ向けて4時間半ほど揺られていく予定なので、なにかしら昼食を用意しておいた方がよかろうと、買い出しに行くことにしました。

フロントにはふくふくした笑顔の可愛いおじさまが座っていました。例えて言えばメガネをかけたプーさん。

「Are there any supermarkets around here?」

(この辺りにスーパーマーケットはありますか?)

と聞くと、よく尋ねられるのか地図が用意してあって、ペンで印を付けながら教えてくれます。

余談ながら、

Is there any supermarket around here?

でも同じ意味ですが、「Are there~?」の方が一般的なようです。

英語では名詞を使う時に複数形にするのが自然な感覚で、単数を使う方が特別な状況を意味するみたい。

よって、「Is there~?」の聞き方だと、この近辺にスーパーは一軒しかないと思って質問している、というニュアンスになりますが、「Are there~?」だと、いくつかあるといいんだけど、近くにあるかしら?というニュアンスになります。

どっちも間違ってはいないけど、複数形の方がしっくりくるらしいです。日本語にはない感覚なので、話す時に気を付けるようにしています。

とりあえず、プーさんにお礼を言ってホテルの外へ。

ホテル前の通りです。

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向かい側の通りにはレンタルサイクル屋があり、イカツめのお兄ちゃんが店番してました。

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レンタルサイクルはメジャーらしく、町のそこかしこでスタンドを見かけました。

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ホテルの前の道をキング・クロスに向かって進み、大通りに出た角を右折して少し行ったところに、小さなお店がありました。スーパーというよりは、八百屋さんという感じ。

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ここで済ませてもいいけれど、事前に予習したイギリス旅行記で何度も目にしていたスーパーTESCOにどうしても行ってみたくて、5分ほど歩いて念願の初上陸を果たしました!

いきなり冷蔵コーナーの扉が壊れて外れっぱなしだ!

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ガツンと思い知らされる異国感・・・さすが庶民の激安スーパーTESCOだわ。

他には特にびっくりポイントはなかったのですが、見てるだけで楽しい。外国のスーパーって、品ぞろえもディスプレイも国ごとにそこはかとなく個性があって面白いですよね。

とりあえずミネラルウォーターとサンドイッチ、プラスチックのカップに入ったイチゴ&ブルーベーリーを買いました。

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ミネラルウォーターは種類にもよりますが、500mlが1ポンド前後。大きいボトルを買えばもっとお得になるものの、今日の夜用と明日の昼に持っていく用のため500mlを2本買いました。

果物のカップはいろんな種類の組み合わせがあります。りんごやメロンが入っていたり、パイナップルだけのがあったり、私のお気に入りはやっぱりイチゴ&ブルーベーリー。

大きさもバリエーションがあって、この日買ったのは、高さ10センチ×幅8センチくらいの1ポンドのもの。同じホテルに連泊する時には大きいサイズを買って夜と朝に分けて食べていました。

日本のスーパーと同じようにタイムセールがあり、サンドイッチコーナーで値引きシールを貼っているお姉さんを発見。

テンポよくシール貼りする姿を観察していたら、「それ(私が持っているベーグルをさして)はまだ値引きされるやつじゃないよ」と教えてくれました。

残念感を漂わせつつ「Oh・・・」とつぶやくと、クスッと笑って値引きされたサンドイッチをさし、「こっちなら安くなってるよ」と勧めてくれました。

エビとレタスの挟んであるやつで、エビ好きとしては申し分なし。日本のしっとりしたサンドイッチとはパンの種類が違うのか、少しパサッとしていますが、けっこう美味しかったです。

帰り道、可愛いパブを見つけました。

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渋めカラーの建物に、ぱっとあざやかなお花のディスプレイが映えるわー。こういうお花使い、いろんなところで見ました。

交差点の角にあったシャレオツなパブ。

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その横に落ちていた手袋。

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『道に落ちている手袋はいつも片方だけの法則』は世界共通なんですねー。

 黒革のグローブというところに英国感が漂います。

どこかの紳士が「オー、テブクロガカタホウナイデス!」と困っていることでしょう。

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また、いたるところに両替所があって、各国通貨とのレートを掲示しているのですが、字が汚いうえに肝心のドルとユーロが消されたまま放置されてる看板がありました。

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壊れてるのそのまま、とか、間違ってるのそのまま、とか、以降もわりと見ました。

イギリス人けっこういい加減だぞ・・・というか日本人が驚異的にきちんとしているのかもしれない。

ホテルに戻って24時間ぶりくらいにベッドで就寝。

翌朝7時には目を覚まして、こじんまりした食堂へ行き、お待ちかねのイングリッシュブレックファーストです。

トーストは1枚、目玉焼きとベーコンとチリビーンズ、オレンジジュースと紅茶もついてきました。

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分かりにくいけど、左上がベーコンで下がチリビーンズです・・・

トーストに塗るバターとジャムも数種類テーブルに並んでいました。

ベーコンは少し硬いけど塩辛すぎず、チリビーンズもまろやかなお味。朝にはちょうどいい分量でした。これがいかに得難いことか、我々は後に思い知らされることとなるのです。

厨房へThank you!と声をかけて部屋に戻り、チェックアウトする前にトイレに行っておこうとした時、ハプニングが起きました。

思い返せばドアを引いた瞬間に、小さな声で「ノー・・・」と聞いたような気がします。

せまーいトイレに毛むくじゃらのゴツイ男の人が座ってて、どうにかして開いていくドアを止めようと手を伸ばしていました。

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「Sorry!」

慌ててドアを閉めます。

でも小さなトイレにみっしり詰まった熊さんみたいなモジャモジャ君が目に焼き付いてしまったわ。狭い空間からはみ出さんばかりの熊男のインパクトたるや。思い出すだけでニヤニヤします。

ドアの向こうからも「Sorry」の声が。

こっちこそ、ごめんね・・・

この時は出てきませんでしたが「こちらこそごめんなさい」を英語で言うと

I'm the one who should apologize.

または

I'm the one who should say sorry.

て感じです。誰かが入っているトイレを開けてしまう機会があったら使って下さい。

たぶん彼、お家でトイレに鍵をかけない派なのでしょうねー。日頃の習慣って、知らずにやってしまうものですから。私もかけない派なので、気をつけたいと思います。

フロントには昨日のプーさんではなく、ご婦人が座っていました。ご夫婦なのかな。

チェックアウトする際に、たいてい「ここでの滞在はどうだった?」という意味合いで

「Everything's OK?」などと聞かれます。

簡単に「Yes」でもいいですが、ひとこと「Yes, thank you」と付け加えるだけでも雰囲気が和みます。

もちろん、問題があったら伝えた方がいいです。黙って我慢するよりは伝えた方がすっきりするし、問題の解決にもつながりますので。

満足している場合には、「It’s so nice(素晴らしかったよ)」とか「It's Perfect(完璧だったよ)」なんて言ってみるのもお勧め。確実に喜ばれます。一期一会なのだから、気持ちよく別れたいものです。

キング・クロス駅に着くと、広場で朝市をやっていました。

美味しそうなパンが並んでいて、これを知ってたら昨日スーパーで昼ご飯を買わなかったかも。次回は試してみよう・・・

列車のチケットは前もってVirgin Trainsのサイトで買っています。

Buy Cheap Train Tickets & Find Train Times - Virgin Trains

送られてきたチケットを印刷して持ってきたから、どうやって改札に入ればいいのか分からなかったため、近くで談笑していたイケメン駅員さんに聞きました。

チケットの左上にあるQRコードを、ICカードみたいにタッチすればいいのだそう。

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ついでに、私たちの乗る列車が何番のプラットフォームから出るのかも調べて教えてくれました。イケメンなうえに親切とか、紳士すぎる。

プラットフォームはガラス張りのドーム型、ヨーロッパの駅舎ではスタンダードらしいです。

お好きな方にはたまらない画像と存じますので、ヨコ長とタテ長の両方でどうぞ。

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ハリー・ポッターでおなじみ、ホグワーツ特急の出る9と4分の3ホームを見てみようかなーと少し探しましたが、近くに見当たらず案内板もなく、出発時間もせまってきたのでスルーしちゃいました。

もっと奥の方にあったみたいです。これもまた次回の楽しみに取っておきましょう。

 座席は向かい合った4人がけで、真ん中にテーブルがありました。充電用のコンセントがあるのも嬉しい。チケットを買った時にメールで送られてくるパスワードを入力すれば、車内でフリーWifiも使えます。

定刻通りに列車は出発。脳内で「世界の車窓から」のテーマを流しつつ、エジンバラへと向かいます。

次回はエジンバラぶらり散歩&この旅で2番目にあたるピンチにマジ切れ、をお届けします。

では。

ヒースロー空港到着~ファーストミッション:オイスターカードをゲットせよ!

いよいよ始まるイギリス旅。

真夜中の羽田空港を飛び立って約4時間後、まずは香港国際空港に到着。国ごとの違いはあっても、空港の雰囲気はどこか似通っていて、ワクワクするけどホッとする。不思議な空間です。

驚いたのは空港内の移動手段です。飛行機を降りてすぐ、ターミナル間をバスで移動し、さらに出発ゲートまで電車で移動しました。しかし帰りの便ではどちらも使わず建物内を徒歩で移動したので、いまだに何が何だかわからない・・・

ただ、乗り物を使って移動しなければならない場合は、空港の職員さんやCAさんが誘導してくれますので、流れに乗って動きましょう。我々はトイレに寄っていて、あやうくバスに置いていかれるところでした。

CAさん曰く、到着便と連絡しているバスを逃すと、次のバスまでかなり待たなければならないそうなので、乗り継ぎの場合は特に注意が必要です。

あたふたとバス&電車で移動したものの、ヒースロー行きの出発は9時10分。4時間くらい待つことになります。

前回お伝えした通り、空調が効きすぎていてものすごく寒い!初の飛行機で興奮していた姪っ子も、日本時間で夜中の5時半ぐらいですから、眠いのもあってソファにぐったり横たわっています。母も疲れ果てている様子。いつも昼夜逆転の生活を送っている私だけが元気です。

なんだかデジャブ・・・フィンランド&ロシア旅行でも連れが病気でぐったりしてる横で私だけ元気だったわー。

しばらく休んで少し復活した2人を連れて、トランスファーゲートへ。パスポートとチケットをチェックし、簡単な荷物検査を受けて搭乗手続き完了です。まだ早朝すぎて開いてない店がほとんどですが、やっぱりゲートの中の方がお店も充電スポットもたくさんありました。

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天井構造の近未来感!かっけー!そして外はどしゃ降り!

ほぼ定刻通りに香港を出発、ロンドン・ヒースロー空港へと向かいます。飛行機には2~3時間の遅れは珍しくないですから、「定刻通り」は実にありがたいです。特に乗り継ぎがある時は、遅延のせいで置いていかれることなく無事に済むとホッとします。

本当に安心するのは到着した時ですけどね、なにぶん飛行機が苦手なもので・・・

機内で見た映画は、旅行の予習と銘打ってまずはイギリスがテーマの2本。

エンド・オブ・キングダム(原題:London Has Fallen)」

http://amzn.to/2nl8KF3

 ⇒アメリカ大統領SPのマイク・バニング無双。イギリス首相の葬儀に出席するためにロンドンを訪れた大統領が、テロリストに狙われてどえらいことになります。前作の「エンド・オブ・ホワイトハウス(原題:Olympus Has Fallen)」

http://amzn.to/2nlieA8

よりアクションに特化してて、バニングの容赦ない殺戮ぶりに痺れるやら怖いやら。あの動機の犯人を、ここまで無残に殺してええんかいなと思うけど、そう思わせないために早めの段階で各国首脳陣をドカドカSATSUGAIしてるんだろうな。ロンドンが破壊されまくる映像には正直興奮しました。

「007 慰めの報酬(原題:007 Quantum of Solace)」

http://amzn.to/2nlhMlh

⇒MI6のエージェントであるジェームス・ボンドが諜報活動したり爆発したりセックスしたりしてます。

ボンドを演じるダニエル・クレイグがものすごく好きなんです!ちょっと田舎くさい顔とか、映画の中で自分が拷問される場面を入れるのが好きなとことか、私服がダサいらしいとこも、ことごとくツボなんですよね。

今回のボンド・ガールのオリガ・キュリレンコが素晴らしく美しかったし、あまり世間的な評価は高くないようですが、独特の雰囲気があって楽しめました。単に砂漠のシーンが綺麗だったからかも(砂漠好き)。

見逃していた「マネーモンスター(原題:Money Monster)」

http://amzn.to/2nlmpfl

ジョージ・クルーニーの魅力爆発という点では「ゼロ・グラビティ(原題:Gravity)」に匹敵します。ウォール街の金持ち連中が善良な市民をだまくらかして儲けてるんだぜ、というアメリカらしい題材。

経済バラエティショーの司会を務めるクルーニー演じるリー・ゲイツが謎の男に番組ジャックされてしまい、さてどうなるという展開ですが、クルーニーのいけすかない奴感と、謎の男を演じるジャック・オコンネルの朴訥とした雰囲気の組み合わせがいいです。どうしたってジャックに感情移入して応援しちゃうもの。

単純にスカッとする結末にしないところが、さすがのジョディ・フォスター監督です。シビアなテーマだけどちゃんとユーモアもあって、監督として腕を上げてるなーと感心しました。役者として「タクシードライバー(原題:Taxi Driver)」に出た頃からキャリアを追ってるので感慨深い。現場の責任者がジュリア・ロバーツってところも現代アメリカって感じ。

見終わったあなたは、きっとカメラマン萌えになることでしょう・・・

ズートピア(原題:Zootopia)」

amzn.to⇒面白すぎた、すごすぎた。ここ最近のディズニー映画の進化には震えがくる。

キャラクターが可愛くて、ユーモラスで、ストーリーはものすごく綿密に練られているから、観客はなんのストレスもなく入り込めるし、ギャグも面白くて、それだけでも楽しいのに、今の世界情勢や排他的になりつつある社会状況について考えるきっかけにもなるという、完璧すぎて怖い作品です。とりあえずDVD買います。

ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(原題:Misson Impossible Rogue Nation)」

http://amzn.to/2nlcPJe

⇒これ、何回見てるんだろうというくらい見てます。オープニングからの、例のテーマソングが流れるアバンタイトルへの展開が好きすぎて!

スタントなしで体を張るアクションをこなすトム・クルーズの命知らずぶりは何度見てもアヌスが締まりますわ。あとベンジー・ダンを演じるサイモン・ペッグの大ファンなもので「ベンジー!オープンザドア!」の場面と「友達だろ!」の場面には毎回悶絶します。

さらに本来ならばヒロインであるはずのレベッカ・ファーガソン演じるイルサが、あまりにイーサン・ハントを鏡写ししたような心身ともに強く有能なエージェントというキャラクターであるために、ベンジーがヒロイン役を担っているのがまた萌えでした・・・

実はミッション:インポッシブルシリーズはずっと見てきているので、今回の、イーサンとゆかいな仲間たち=チームIMF感がこれまでで最も味わえるラスト辺りもテンション上がりました。未見の方はシリーズ3作目から見ると登場人物たちの抱える事情がスムーズに理解しやすいです。もちろん1作目から通して見るのがベストなのは言うまでもなし。

そういえば、イルサを苦しめるMI6のたいへん根性の悪いエージェントが出てくるので、ある意味イギリスの予習といえなくもない。

思いのほか映画の話が長くなってしまいましたが、なにせ13時間くらい乗っていましたから、それでもまだウトウトしたり、ご飯を食べたりする時間は充分にあるんですよね。

ちなみに不味そうすぎて衝撃を受けた機内食。茶色のチキンを煮た何か。タール?と思いました。

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食べると意外に大丈夫でした。ご飯の右サイドに添えられたキャベツは無味でした。

繰り返します、キャベツは無味でした。

キャセイパシフィックというアジア系の航空会社のため、CAさんたちはアジア系の方ばかりで、わりとはっきり発音してくれるので英語が分かりやすく、意思疎通がスムーズにできて快適に過ごせました。

しかし母はまったく聞き取りが出来ず、言いたい事も上手く英語で伝えられず、恐ろしくコミュニケーションが取れないのが旅をする上での不安要素となりました。そしてその予感は的中する・・・母と姪っ子を引率しての滞在中、ほとんど案内&通訳係でした。マジ疲れた。

CAさんたちは、こちらが申し訳なくなるほどホスピタリティにあふれ、ひんぱんに飲み物を持ってきてくれるし、疲れてずっと眠り続ける姪っ子を心配して「具合が悪いなら薬とか、毛布とか要りますか?」と聞いてくれるし、次もこの航空会社を使おう!と思いました。キャセイパシフィック、比較的リーズナブルだけどサービス良くてお勧めです。

さて、順調にヒースロー空港へと飛行機が進み、もうそろそろ着くかしらという頃、入国カードが配られました。

これはどこの航空会社でも配っているのか、今回が初イギリスだったのでわかりませんが、入国審査の時に提出するカードを事前にもらえます。

なんと私たち、せっかく記入した入国カードを機内に忘れてしまったのですが、ご心配なく、入国ゲートにも置いてありました。記入用の台もあって無問題。

以下に簡単な書き方をご説明します。

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(1)名字をローマ字で:YAMADA

(2)名前をローマ字で:TARO

(3)性別:男なら「M」に、女なら「F」にチェック

(4)生年月日:DD(日付)/MM(月)/YYYY(年を西暦で)

(5)生誕地:都市と国、Tokyo,Japanなど

(6)国籍:Japan

(7)職業:Student、Office Workerなど、母は年金生活者ですが、House Wife(主婦)と書いてました

(8)イギリスでの連絡先:ここはホテルの住所で大丈夫です。複数のホテルに泊まる場合は、最初に泊まるホテルでOK

(9)パスポート番号

(10)パスポートを発行した国:Japan

(11)イギリスでの滞在日数:7daysなど

(12)搭乗した場所:Haneda、Naritaなど

(13)到着便名:乗ってきた飛行機の便名、我々はCX5397でした

(14)サイン:パスポートと同じように署名して下さい

(15)空港係員が記入する欄なので、何も書かないで下さい

このカードとパスポートを持って、入国審査の列に並びます。イギリス国籍の人が並ぶ列、EU諸国の人が並ぶ列、それ以外の国の人が並ぶ列は違いますのでご注意を。

「それ以外の国」から来た人が並ぶ列が一番長いし、審査に時間もかかります。事前に仕入れた体験談では、3時間かかったという例もあったので怯えていましたが、姪っ子がお腹を壊してトイレに行っているのを待っているうちにピークが過ぎたのか、並ぶところからも含めて20分もかからなかったです。

世界一厳しいという噂があるヒースロー空港の入国審査も、滞在日数の違いを聞かれたくらいで、あっさり通過できました。

母と姪っ子が先に帰り、私がもう1週間長くいることの理由を「子供の学校が9月から始まるから、祖母と一緒に先に帰国して、私は1人になってロンドンでフリータイムをエンジョイするんだぜ」と説明したら、ふーんと頷いてパスポートに入国スタンプを押してくれました。

やはり子供と年寄りがいる女ばかり3人連れというのは、ものすごく無害そうに見えるのだと思います。姪っ子はよほど幼く見えるのか、行く先々でさまざまな親切を受けてましたしねー。本人はちょっと納得いってなかったみたいですけど、難しいさかりの14歳。厨二病ど真ん中。

とはいえ弱き者への心配りと寛大さは、良くも悪くもさすがジェントルマンの国と思いました。

空港から本日泊まるホテルの最寄駅であるキング・クロスへ行くには、急行のヒースロー・エクスプレス、普通列車のヒースロー・コネクト、地下鉄ピカデリー・ライン、ナショナル・エクスプレスのバス、だいたいこの4つが交通手段が使えます。

他にもホテルによっては送迎があったり、懐に余裕のある方はタクシーもあり。意外とイギリスのタクシーは高くなかったので(ロンドン中心部まで46~87ポンド≒6000~12000円弱)、同乗する人数や状況によっては選択肢に入れてもいいかもしれません。

到着するターミナルにより、乗り換えをする必要があります。

以下、現時点(2016年11月10日)での情報です。

ヒースロー空港の中心部に位置するターミナル2、3から利用できる

⇒ヒースロー・エクスプレス、ヒースロー・コネクト、地下鉄ピカデリー・ライン、ナショナル・エクスプレス

空港の南寄りに位置するターミナル4から利用できる

⇒乗り換えなしは地下鉄ピカデリー・ラインとヒースロー・コネクト。それ以外は一度シャトルで移動して乗り換えます。

空港の西寄りに位置するターミナル5から利用できる

⇒乗り換えなしは地下鉄ピカデリー・ラインとヒースロー・エクスプレス。それ以外は一度シャトルで移動して乗り換えます。

ざっくりした路線図(英語)。

http://www.heathrow.com/file_source/Heathrow/Static/GIF/Transport_and_Directions/LHR_Train_Map.gif

ヒースロー空港公式サイトの日本語ページです。

ロンドン・ヒースロー空港 (LHR) | Heathrow

ヒースロー空港の大まかマップ、ターミナルの位置関係が分かります(英語)。

http://maps.heathrow.com/index.php?zoom=9&lat=51.47100595429817&lng=-0.45405828899141465&overlaymap=0

私たちの降り立ったターミナル3からは、すべての交通手段が利用できますが、キング・クロスにダイレクトに行けるのは地下鉄だけでした。他の行き方では何らかの乗り換えを必要とするので、キング・クロスまでは地下鉄で小一時間ほどで着くし、まだ16時くらいで明るいし移動に危険もないだろうと判断して、もっとも楽な方法を選んだわけです。

しかも日本でのスイカにあたるICカードオイスターカードを使えば、時間帯と地域にもよりますが通常料金の半額になるという素晴らしい割引率。オイスターカードはどこで買えるんじゃー、と目を光らせつつ地下鉄乗り場へと向かいます。

日本からでも英国政府観光庁のオンラインショップでオイスターカードを購入することができますが・・・発行手数料3ポンドと送料を加えると、最低限2000円弱かかってしまうため、現地で買うことをお勧めします。

一応、英国政府観光庁のURLです。

ロンドン・ビジター・オイスター・カード (London Visitor Oyster Card) | VisitBritain JP

姪っ子から「来たことあるの?」と聞かれるほど迷いのない足取りでスタスタ進む私。分岐には必ず案内板が出ていて、“Underground”をたどっていけばいい、広いけれども分かりやすい構造です。

ムービングロードの宇宙船ぽさにテンションを上げつつ、

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ふと左を見ると、ヒースロー・エクスプレス乗り場へ誘導するお兄さんが立っていました。一緒に動く歩道を流れてきた旅行者の大半がそちらへ向かいます。

我々はさらに直進、すると携帯のSIMカードを販売しているお店があり、その奥が地下鉄でした。頭上にある「UNDERGROUND」と書かれたデカい看板が目印です。

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 これまで訪れた国(フィンランド、ロシア、イギリス)では、その国で使えるSIMカードを買って入れ替えるのが一般的なようです。日本でも最近はフリーSIM携帯が出てきたので、次回は機種変更してSIMカードを試してみようかな。

看板をくぐって右手がインフォメーションカウンター、左手が乗り場です。

オイスターカードは自動販売機でも買えますが、そこそこ疲れていて「できる気がしねぇ・・・」と思い、聞いた方が早いから列に並びました。

待っている間に、案内係の方が「ご用件は?」と声をかけてくれます。

オイスターカードが買いたいんです」と答えると、「大丈夫、ここで買えるよ。他に何か困ってることは?」と聞いてくれて、「問題ないです、ありがとう」と答えると、「OK!」とニコニコしながら次に並んでる人に声をかけていました。

笑顔の可愛いおじ様で、中東系の方だったと思います。

以前からなんとなく感じていたのですが、ネイティブスピーカーよりも、英語が第2言語の人の方が聞き取りやすく、1番分かるのがアジア系、その次は中東系なんですよね。母音も子音もしっかり発音して、なおかつあまり巻き舌ではないからではと推測しています。

巻き舌が激しいので有名なインド系の方の英語は、かなり慣れないと難しいです・・・まだまだ修行が足りないわ。

なので、英語圏の中でも比較的発音がはっきりしているイギリス英語はコミュニケーションが取りやすかったです。そのぶん地方では苦労しました、まだまだ修行が・・・

受付カウンターは列の前方と左側にあり、順次さばいていってくれるため、さほど待たされませんでした。

応対してくれたのは、パキパキした感じのお姉さん。

「I would like to buy 3 oyster cards for us, 2 for adults, 1 for child, please」

(オイスターカードを3枚下さい、2枚が大人用で1枚が子供用です)

とお願いすると、子供が何歳か聞かれたので14歳と答え、パスポートも見せました。

続いてどのくらいチャージするのか聞かれ、20ポンド入れるよう頼みました。

子供運賃は、大人の半額になるそうです。これは年齢によって違いそうなので(幼児は無料とか、17歳以上は大人料金だったり、けっこう細かく分かれているようです)、14歳は半額だったという点のみご了承ください。

そのおかけで、姪っ子は旅行中に一度も再チャージする必要がなかったです。

こんなカードを

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こんなケースとともに渡してくれました。

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ケースは時々によってデザインが変わるそうです。行った時のお楽しみということで。

ほとんど全ロンドン市民が持っているのでは?というオイスターカード、これで地下鉄はもちろん、電車にもバスにも乗れる共通カードなのは便利ですが、ゆえに忘れると困るので、出かける際は必ずチェックしましょう。

おいすたーかーど を てにいれた!(パパパパパララ~♪)

地下鉄ゲートの要領は日本の自動改札と同じです。カードをピッとタッチすればOK

ただし、日本と違ってカードのチャージ残量不足を後から精算することができないことにお気をつけ下さい。残金不足だと、なんと罰金が科せられてしまいます。

改札を通る時にチャージの残金が表示されますので、少なくなったらチャージしておくとよいです。

地下鉄はけっこう頻繁に来ます。私たちは5分も待たなかったように記憶しています。

車内はそこそこの込み具合で座ることができず、母は壁にもたれ、姪っ子はスーツケースの上に座り(体重が軽いから時々転がって移動してた)、私はバックパックを床に置いて立っていました。

暗い中をしばらく走った後、地下鉄だけど地上に出ました。

そこには映画で、テレビで、写真で見たイギリスが広がっていました。

姪っ子の口から「うわぁ・・・」という言葉がこぼれたのを覚えています。

この時やっと、イギリスに来た実感がわきました。電車は一路、キング・クロスへ向かいます。

次回はホテル到着からご近所散策、ドキ☆トイレでクマ男と遭遇!をお届けします。

では。